ボンネットのこと | まじょねこ日記

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魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください

インジゴ


《ボンネット》の体は、ここに来た時より小さくなってしまったような気がする


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昨日の朝

《ボンネット》を囲むようにして何日か(3日間)を過ごした私たちは、さすがにうとうととしてしまっていた


そんな私の耳に

遠くから誰かの声が聞こえたような気がした

でも、とても眠くて・・

私は半分開いた目をまた閉じてしまった

私たちはずいぶん寝てなくて・・


「マ・・マン」


ユリぼうず 「・・魔女」


「マ・・マン」


ユリぼうず 「魔女っ!!」


魔女 「なに・・」


ユリぼうず 「《ボンネット》が・・」


魔女 「なに・・ 《ボンネット》が!」


「マ・・ マンマ・・」


魔女 「《ボンネット》、マンマか?! マンマだな!!」


「マア・・ンマ」


魔女 「待ってなさい!」


私たちは一斉に《ボンネット》を覗き込んだ

《ボンネット》はほんの小さな声でそう言って鳴いた


魔女がご飯を手に私たちをかき分けた

鼻先にお茶碗を突きつけられた《ボンネット》は

寝たまま顔だけをやっと持ち上げてご飯を食べた

ほんのちょっとだけ食べて、またすぐに横になった


《ユリぼうず》が励ますように顔をなめている

《ボンネット》はなめられる度に顔をぐらんぐらんさせた

私たちはそれを見てドキドキした


しばらくすると


「マ・・マン」


またほんの少しだけご飯を食べる


私  「もっといっぱい食べたらいいのに・・」


魔女 「急に食べる元気はまだないんだよ。それに自分の体の様子を見てる」


私  「様子を見るって?」


魔女 「何か食べてまた下痢したり、吐いたりしないか、って」


ジンジン 「そうなんだ・・」


魔女 「生きものの本能だから」


ジョン ブリアン 「また吐くかなぁ・・」


それから私たちはしっかり目を開いて《ボンネット》を見詰め続けた

《ユリぼうず》なんて心配のあまり、《ボンネット》におでこをくっつけるようにして上目使いで睨み続け、まばたきもしない

これを見ていた《アゾ》は、いつもの倍も目を丸くして、恐ろしさのあまり自分がのけぞってしまい・・  気絶しそうになっている


「マ・・マン」

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またご飯だ・・

《ボンネット》は、しばらくおきに(約30分おき)、これを繰り返す



そして今日

私たちは《ボンネット》の信じられない姿を目にする


朝ご飯の時

台所に集められた私たちの中に

《ボンネット》がいた

よちよちしながら、私たちと一緒に魔女を見上げている


私たちは嬉しくなって一斉に鳴き出した


「マンマ! マンマ! マンマ!」


何日もちゃんとご飯をたべてなかったから、みんな突然お腹が減ってしまったんだ

《ボンネット》も私たちと一緒に細い声を張り上げている


魔女 「よお~し! みんな、たくさん食べなよ!」


私たちは缶詰組とカリカリ組に別れていて

久しぶりに賑やかな音が響いた


「カリカリ!」 「ムシャムシャ!」 

「カリ!カカカリッ!」 「ムシャムシャムシャ!」


私たちは死ぬほどご飯を食べて

みんなでごろごろしながら手や体をなめていた

すると・・


アゾ 「な、なんだあ~! これぇ~!」


ジンジン 「わあ!《ボンネット》のお腹が凄いことになってる!」


私  「ひえ~、カンカンに腫れてる!」


水玉 「どれだけ食べてんだよ」


ユリぼうず 「爪で引っかいたら、爆発しそうだね」


ジンジン 「《水玉》も顔負けだ」


水玉 「なんだと!」


《ボンネット》のお腹は硬いボールのようにカンカンだ

そして、その大きなお腹を重そうにしながら

《ボンネット》はよっちよっちと《ユリぼうず》の方へ歩いて行った


そして・・

そして、《ユリぼうず》を見上げてこう言ったんだ


「カ、カアチャン・・」


私たちは一斉に《ユリぼうず》の顔を見た


《ユリぼうず》は・・

《ユリぼうず》は・・ 三白眼になってしまい・・

天井を凝視している