行方不明猫 | まじょねこ日記

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魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください

水玉


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魔女がひとりごと風につぶやいている


「いくら呼んでも《涼子》が来ない・・」

「もう3、4日になるよ、大雨の日からずっといないんだ」

「心配だ・・ ああ、心配だ」


僕は嫌な予感がした


《ユリぼうず》は寝たきりだし・・

それでも淋しいのか魔女の後をついて行っては、その行く先々で眠っている


そんな風だから、結局僕しかおらず・・

僕しか・・


魔女 「ねえ、《水玉》」


僕  (来たよ・・)


魔女 「《涼子》がね・・」


僕  「わかったよ・・」


偵察、捜索、それは僕の役目だ

《ユリぼうず》は僕よりもっと凄くて、超猫的な勘を備えているが

今の状態では全く役に立ちそうもない


僕は《涼子》の居そうな所を歩き回ったが見つからないので

最後に最も行きたくないお化け屋敷に行くしかなくなった


お化け屋敷は、とんでもない事になっていた

むっちゃむっちゃに草が伸び、そっこいらじゅうが蜘蛛の巣だらけ


僕は草に引っかかれたり、蜘蛛の巣に巻き込まれたりしながら屋敷に向かって進んだ

やっと屋敷にたどり着いた時は、僕の体中は悲惨な事になっていた

通りの方から行けばよかった・・


お化け屋敷の1階の、僕の利き手から3番目の部屋

僕はそこの扉の前でヒャーヒャーと鳴いた


それでもお返事がないから、破れた窓に飛び乗り

バランスを取りながら首を長くして中を覗いた


奥の部屋に《涼子》の曲がった尻尾が見えた・・

そこで僕はもう一度ヒャーヒャー鳴いた


《涼子》が・・ 動かない


僕  「魔女ー!! 魔女おー!!」


魔女 「どうした!」


僕  「《涼子》が、《涼子》が!!」


魔女 「《涼子》がどうした!」


僕  「ニャ、ニャバーランドに行ちゃったみたい汗


魔女 「・・ 」


それから僕らと魔女はお化け屋敷に走った

みんな気が動転していたから、また下の雑草の入り口から入ってしまった

(お化け屋敷には上の通り沿いからと、下の草むらからのと2通りの行き方がある)


僕らは、草をかき分け、蜘蛛の巣を巻きつけた魔女の後に続いた

《涼子》のいる部屋の前に到着した魔女は

扉の真ん中の四角い穴(郵便受け)から中を覗き

必死で《涼子》の名を呼んだ

僕も破けた窓に飛び乗って一緒にひゃーひゃーと鳴いた


魔女 「ダメだ・・ 動かない」


ジンジン 「どうする・・ どうしよう・・」


魔女 「ドアを蹴破る! みんなどいて!!」


僕  「魔女、待って! 僕が中に入って見て来るよ!」


魔女 「そうか! 取り合えずそうして!」



「うるさいなあ・・」


僕ら 「・・」


「うるさい・・」


《涼子》がゆっくり顔を上げてこっちをにらんだ・・


つづく