ジンジン
今日は朝から雨で
僕らは外に出られなくて・・
だけど、《ジョン ブリアン》だけは朝ご飯を食べるや否や玄関にまっしぐら
そして雨でも開け放たれている玄関の前で呆然としている
その後は、猫用出入り口に行って外を覗く
そして、そこでまた呆然とする
僕 「毎回だよね・・」
インジゴ 「学習しないよね・・」
水玉 「往生際が悪いんだよ」
暫くすると、《ジョン ブリアン》は、どぼとぼと部屋に戻って来る
ジョン ブリアン 「やっぱ、どこもかしこも雨だった」
アゾ 「ま、まっどから おっそと みてぇ~ あっめだったらぁ~ どっこも あっめですからぁ~」
ジョン ブリアン 「そんなこと分かってるよ、 でもひょっとして、って事もあるかもしんないじゃん!」
アゾ 「なっ、ないでっす・・」
水玉 「《アゾ》の方がよほども利口だな・・」
こんな日はいつもお部屋で遊んでくれる魔女が
今日はニャパール人のデピャックさんがやって来ると日だと言って出掛けてしまった
デピャックさんは、前に魔女と一緒にニャパールに行ったバアバさんにニャパール語を教えに来るんだって
だから魔女はデピャックさんをバアバさんの家に連れて行って
夕方まで帰って来なかった
僕らはつまらなくて寝てばかりいたけど
それも飽きて
だけど、なんにもやることがなくて・・
僕らはお部屋の中でイライラをつのらせていた
ジョン ブリアン 「《水玉》、さっき僕より《アゾ》の方が利口だって言ったよね」
水玉 「だってそうじゃないか」
ジョン ブリアン 「《水玉》の朝ご飯の食べ方、あれ何さ」
水玉 「何がだよ・・」
ジョン ブリアン 「だらしなさ過ぎるんじゃない!」
水玉 「何でいきなり朝ご飯の食べ方の話になるんだよ!」
インジゴ 「でも確かにあの食べ方はないわよね」
水玉 「何だよ、《インジゴ》まで!」
ジョン ブリアン 「やっぱ誰だってそう思うよ」
インジゴ 「お行儀が悪いって言うか・・太りすぎなんじゃない?」
水玉 「太り過ぎだとお~!」
インジゴ 「誰が見ても痩せてはいないわ」
水玉 「そ、そいうお前は・・!」
インジゴ 「そういう私は? 決して太っちゃいないわよ、ベジタリアンだし!」
水玉 「そういうお前は!」
インジゴ 「で、そういう私は?」
水玉 「脇毛が白髪!」
インジゴ 「・・何て言った?」
水玉 「脇毛が白髪!!」
ジョン ブリアン 「ええ~っ?!」
インジゴ 「んな訳ないわよっ!」
水玉 「じゃあ、寝転んでみんなに見せてみなよ」
インジゴ 「いいわよ!」
ジョン ブリアン 「白髪じゃないじゃん」
水玉 「反対側っ!」
みんな 「わあ!」
インジゴ 「どうしたの?」
僕 「し、白髪だ・・」
インジゴ 「そ、そんな・・」
水玉 「ほ~らね、僕の言った通り!」
インジゴ 「・・」
僕 「《水玉》!そんなこといちいち言わなくたっていいじゃないか」
ジョン ブリアン 「そうだよ・・」
水玉 「うるさいな!この枯葉軍団がっ」
僕 「なんだよそれ!」
水玉 「おまえたちは、《インジゴ》が意味もなくせっせと運んでくる枯葉に似てる、って事だよ!」
それからというもの、僕たちは険悪になって話もしなくなった
部屋の中がシ~ンとしている
こんなつまらない日は、《ユリぼうず》がアニャマル プリャネットをつけて、みんなでテレビを観るのに
今日の《ユリぼうず》はそれもしないでただじっと丸くなっているだけ
得意の憎まれ口も利かないなんて
いったいどうしたんだろうな・・
わっしゃわっしゃ・・ わっしゃわっしゃ・・
ジョン ブリアン 「・・何の音?」
わっしゃわっしゃ・・ わっしゃわっしゃ・・
ジョン ブリアン 「《アゾ》・・ 何やってるの・・」
わっしゃわっしゃ・・ わっしゃわっしゃ・・
水玉 「ミミズクが蜘蛛の巣に引っかかってもがいてるぞ・・」
車の音がして、やっと魔女が帰って来た