攪乱 | まじょねこ日記

まじょねこ日記

魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください

水玉


僕も魔女も、昨日《ユリぼうず》に会いに来たヤモリの事が気になっていた

《もりやさんの親戚のヤモリさん》はいったい《ユリぼうず》に何を言ったんだろう

《ユリぼうず》どうして泣いちゃったんだろう・・


今日も《ユリぼうず》は外に出ないでうずくまっている


《ユリぼうず》の丸まった背中を見ていると・・

僕はその訳を聞いたらいけないのかな、って感じてしまう


いつか、話してくれるかな・・




ジンジン


「まあじょお~! まじょおおお~!!」


今朝も早くから《アゾ》の日課が始まった


リビングの隣のお部屋から魔女が病気の猫のように這い出して来た


魔女 「あれ・・ 私は何故ここにいるの?」


僕  「夕べはそこで寝たんじゃないか」


魔女 「なんで?」


僕 「そんな事知らないよ! 自分に聴けばいいじゃん」


魔女 「・・」


インジゴ 「自分でもわからないんだ・・」


水玉 「酒も飲まないのに凄いな・・」


アゾ 「まっ、まじょ  めっだかしゃんにぃ~ 」


魔女 「わかった・・ わかったから・・」


魔女はメダカさんたちにご飯をあげて

無意識のうちに僕らに朝ご飯をくれて・・


しばらくぼーっとしていたけど

ヨタヨタと台所に行ってキャーフィーを作って・・ 飲んで・・

またぼーっとして


それから

いきなり立ち上がった!


バン! バン! バン!!


いろんなお部屋の戸を荒々しく開け

お部屋の中の戸の中身を引きずり出し始めたんだ


僕  「ヤバイ! 始まった・・」


それは年に2回くらいの割りで行われる一大事で・・

僕らは大挙して外に飛び出した

《アゾ》も、訳が分からないまま、僕らにつられて外に出た


インジゴ 「始まったね・・」


涼子 「攪乱がね」


僕  「みんな夕方まで外だね」


ジョン ブリアン 「あれ・・ 《ユリぼうず》は?」


水玉 「放っておけ・・」


家の中ではズッタン、バッタンと音がしている

そんな中で、時々聞こえるドデッ!という音は

魔女が散らかった物につまずいて倒れる音だ


時々、ギャッ!という悲鳴も聞こえる

魔女が足の上に重たいものを落っことしたり、硬いものにつまずいて足の先を思いっきり痛くしたり、または重いものを抱えてヨタヨタとした余りに、頭をどこかにぶつけた時の悲鳴だ


今日は暑いから、僕らは夕方まで木陰でグダグダしながら

家の中から時折聞こえる魔女の悲鳴に、ため息をついて過ごした


jinjin08523


魔女 「みんな、ご飯だよ~!」


ジョン ブリアン 「終わったみたいだね!」


アゾ 「ご、ごっはん! ごっはん!!」


僕らは家に飛び込み、階段を駆け上がった

リビングには大きなゴミの袋がいくつも置かれていた


魔女は僕らにご飯をくれて

それから、ゴミの袋をかき分け


魔女 「《ユリぼうず》もご飯だよ」


ゴミの袋にまみれて・・

《ユリぼうず》が朝見た時と同じ場所に、同じ格好でうずくまっていた


魔女はゴミの袋をどかして《ユリぼうず》の前にご飯の入ったお茶碗を置いた

けど、《ユリぼうず》は顔もあげなかった


ジョン ブリアン 「《ユリぼうず》、病気なのかな・・」


水玉 「そっとしておけ・・」


インジゴ 「大丈夫かな・・」


水玉  「いいから・・」


ご飯の後でゆっくり見たら

魔女はアザだらけだった


しかし、騒ぎの本番はこれからなんだ

それは《アゾ》以外の僕らはみんな知っている事だ


魔女 「片付いたでしょう!」


ジョン ブリアン 「うん、さっぱりした! お部屋が広くなったみたい」


なんて会話もつかの間・・


魔女 「ところで・・ 手帳見なかった?」


僕  「始まった・・」


魔女 「手帳がない・・ あれがなきゃ困るのよ!」


水玉 「知らないよ・・」


魔女 「ここに置いておいた電卓は? ハサミもないじゃん!」


インジゴ 「自分が片付けたんでしょう」


魔女 「こっ、子機がない・・」


ジョン ブリアン 「電話も片付けちゃったの?!」


魔女 「そんな・・ あれ!財布もない!!」


水玉 「またかよ!」


この騒ぎは間違いなく夜中まで続く

そうしてまたお部屋はドッチャバッチャに戻るんだ