あばら骨にはヒビ | まじょねこ日記

まじょねこ日記

魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください

ジョン ブリアン


それまで何日間も、僕たちは家に居つかず

まるでノラ猫のように毎日外をうろつきまわっていた


お腹が減って家に戻ると、テキトーにご飯が置かれていた

僕らはそれをテキトーな時間に、テキトーに食べた


つまらない毎日は僕らに荒れた生活をさせた



その日、下の道を歩いていると《ユリぼうず》にばったり会った


僕  「どこ行くの?」


ユリぼうず 「家に帰るね」


僕  「家に帰るの?!」


ユリぼうず 「魔女を待っててあげなきゃね」


僕  「・・・?」



《ユリぼうず》はそう言うと、とっとと家に入って行った


僕は向かいのおばあちゃんちの屋根で寝ている《ジンジン》に声をかけた


僕  「《ジンジ~ン》、《ユリぼうず》がおかしな事を言ってるよ」


ジンジン 「《ユリぼうず》の言ってる事はいつだっておかしいだろ・・」


僕  「そうだけど・・ でも家に帰って魔女を待つんだって」


水玉 「なに!《ユリぼうず》がそう言ってたのか!!」


僕  「わあ!《水玉》、どこから出てきたの!」


ジンジン 「本当に《ユリぼうず》がそう言ったの!!」


僕  「うん」



いきなり2匹は家に向かって走り出した

お化け屋敷のお庭から《インジゴ》が飛び出して来て僕を驚かした

何がなんだか分からないけど、僕も走った

僕にきんぎょのうんこみたいくっついてまわる《アゾ》も僕の後に続いている

駐車場の方から《涼子》も走って来たけど、猫用出入り口の所で止まってしまった



久しぶりにお部屋に《涼子》以外のみんなが揃った

僕らはくっついてじい~っとした



僕  「ねえ、魔女が帰って来るの?」


ジンジン 「《ユリぼうず》がそういったんでしょ」


僕  「うん・・」


ジンジン 「じゃあ帰って来るんだ!」


僕  「本当に?」


水玉 「おい、《ユリぼうず》は只の猫じゃないんだぞ!」


僕  「・・」



辺りが暗くなってきた


ユリぼうず 「魔女が帰って来た・・」


みんなが一斉に首を持ち上げた


それから少したって・・


魔女の足音が聞こえ

ドアを開ける時の鍵の音がした


僕らはお部屋を飛び出し、ドアの前に走った


魔女を見たとたん、《アゾ》は逃げ出し

僕らはいっせいに魔女に飛びついた

魔女は非常に痛がった

でも僕らはおかまいなしにぶら下がった


魔女は恐怖の袋と僕らを引きずり、痛がりながらお部屋に入った


それから僕らを精一杯可愛がり


「病院に行って来る」 と言った


《ユリぼうず》が 「ちょっと待ってて!」 と言って外に飛び出して行き、すぐに戻って来た


「まひょ、おひゃえりなひゃい!」


そう言うと《ユリぼうず》はくわえて来た《もりやさん》を魔女の手に平に乗っけた


魔女は《もりやさん》に顔を近づけた


「まじょ・・」


《もりやさん》は口にくわえた赤い葉っぱの切れ端を魔女の手に平に置いた


「どうもありがとね」


魔女は僕らと《もりやさん》にお礼を言った



それから魔女は病院に行った

僕らと《もりやさん》は心配しながらお部屋で待った



しばらくして魔女が帰って来た


ジンジン 「魔女、どこか悪かったの?」


魔女 「うん、あばら骨にヒビが入っていた」


僕ら  「・・・!!」