ジョン ブリアン & 魔女
異星人のお話なんだけど
前にこんな事があったんだ
砂の丘があって
魔女たちがこっちにいて
それで・・ えっと・・
「・・魔女、砂って何? 丘のこっちってどこなんだっけ・・」
魔女 「もう、自分で書くからいいよ・・」
僕 「そうして!」
魔女と家族②が夏に海に行った時の話なんだけど
その先で突き当たりになっている細い道の右手が海で
海の前がちょっと小高い丘になっている
だから海はすぐそこなんだけど、魔女たちのいる所からは見えない
とにかく
さあ、泳ぐぞ!
と丘を上り始めたら
その丘の向こうからも誰かがこちらに向かって来ていて・・
少しずつその姿があらわになってゆく
その人は大又でズン、ズンって感じでこっちに向かって来た
そしてちょうど首から上が見え出した頃・・
あれ?
隣にいたはずの家族②がいない・・
振り向くと家族②が魔女の後方にて
まさに歩いている最中の格好で突っ立っており
前から来るものを凝視しているものだから
目はバカのようにデカく見開かれ
口もまたアホのようにだらしなくおっぴらかれていた
そして・・
丘を越えてきた人間の(それは女性だった)肩がせり上がって来るや
家族②がぶるぶるっと大きく体を震わせ
叫んだ
「うわあー!! バルタン星人だあ~!!!」
魔女 「バ、バルタン星人・・?」
家族② 「バルタン星人がやって来たあー!」
魔女は逃げようともがく家族②を追いかけ
その腕をつかんで制止した
注) 言っておきますが、家族②は小学生や中学生のたぐいではありませんから、ましてや幼児でもありません!
家族② 「魔女っ、逃げなきゃ! 逃げなきゃ!!」
魔女 「待ちなさい!」
家族② 「イヤだ! 放せ!!」
魔女 「良く見てごらん・・」
家族② 「・・・ わあ! やっぱ、バルタン星人じゃないか!
あの頭を見てみなよっ!」
魔女 「あれは・・ サーフボードだよ・・」
家族② 「え・・?」
魔女 「サーフボードを頭の上に抱えているんじゃないか」
家族② 「む・・」
魔女 「む・・ じゃないよ!
例えあれがバルタン星人だったとしても・・」
家族② 「やっぱバルタン星人なんだ!」
魔女 「た・と・え! だったとしても・・
なぜ仲良しになろうとしない!」
家族② 「あれはバルタン星人なの?それとも違うの?!」
魔女 「残念ながら・・」
家族② 「そうなんだ!!」
魔女 「・・・」
バルタン星人もどきのお姉さん (こいつら一体何なのよ・・)
って顔で、魔女と、お姉さんに向かって本気の防御体制を取り続けている家族②をにらみつけながら、かたわらを通過して行った
それは、夢とロマンが砕け散った夏の日のことだ