初体験 | まじょねこ日記

まじょねこ日記

魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください


水玉 


偵察


昨日《ジョン ブリアン》が以前の出来事を思い出して日記に言った

それで僕も思い出したんだ!


それはまだ《ジョン ブリアン》がここにやって来る前のお話

そして、これは教室じゃないくて、洗面所での出来事


その時魔女は顔を洗っていた

僕はちょうど洗面所の出入り口から家の中に入って来た所だった


面倒な事にはやたらせっかちになる

そんな魔女の顔の洗い方は、これまたせっかちな熊のようだ


ゴシゴシ! ガシガシ! ゴシガシゴシガシ!!


僕  (顔の洗い方までどう猛だぞ・・)


ゴシゴシ! ガシガシ! ゴシ・ガシ・ゴシ・ ガッ!


「う・・ うぎゃあああああ~!! ドンッ


洗面所から廊下に出かけた僕が振り返って見たものは・・

洗面台に顔を突っ込んで半分うずくまった魔女の姿


僕  「魔女!どうしたの!!」


魔女 「う~・・ う~・・ うぅ~・・」


僕  「大丈夫?!」


魔女 「うっ・・ うっ・・ う・・」


  「うわあ~!!」


ようやく顔をあげた魔女を見て

僕は、本当に、本当に飛び上がった!


顔が・・ 顔が・・

魔女の顔が塗りつぶされていてよくわからない・・


魔女は手で鼻らへんを押さえていたが

その手の間から、ボッタボッタと何かが落ちてくる

この臭いは・・ 怪我をした時の臭いだ


その状態のまま

魔女の片手が、後ろのタオルを取ろうともがいている

しかし、タオルまで手が届かず

また洗面台に顔を突っ込んでしまった


そしてその格好のまま動かなくなってしまった

僕はその場に立ちすくんでいた

それはすごく長い時間だったように思う


やっと魔女が動き、水道の水を出し、顔を洗い始めた

顔を洗い終わると、魔女はタオルを取って鼻を押さえたまま

ヨタヨタとお部屋に入って行き・・


お腹を上にして倒れ、また動かなくなった



ジンジン 「魔女、どうしたの!」


インジゴ 「すごい悲鳴だったよ」


魔女 「・・・」


ジンジン 「魔女、どうしたの 何か言ってよ 汗


ユリぼうず 「この様子は普通じゃないな・・」


ジンジン 「そんな事見れば分かるよ!あせる


伐  「おい、これはかなりマズい状態じゃないか!」


インジゴ 「魔女、しっかりして!」


僕  「洗面所で突然何かが起こったんだよ」


涼子 「いったい何が起こったの?」


僕  「わかんない・・」


ユリぼうず 「この役立たずがっ!」


僕  「何だよそれ!」


それで僕と《ユリぼうず》が喧嘩になったんだけど

いつもだったら止めに入る魔女なのに

この時は、おでこに立てジワを作り

鼻から下にタオルを乗せたまま動かなかった


僕たちは本格的に心配になり

みんなで魔女のまわりに集まっていた

それは僕たちにとってすごいストレスだった


《ジンジン》は心配のあまり、とんでもない声を出して泣き出した



インジゴ 「どうしよう・・」


僕  「目も開けないよ・・」


ジンジン 「びゃ~おおぉぉぉぉ~あせる ひゃ~うおぉぉぉ~あせる


ユリぼうず 「みんな、集中しよう・・」


伐  「何に集中するんだよっ!」


ジンジン 「ひゃ~おおぉぉぉ~あせる うひゃ~おおおぉぉ~あせる


ユリぼうず 「うるさいっ!!」


それから暫くして


インジゴ 「ねえみんな・・ おでこのシワがなくなっているよ」


僕ら 「どれどれ」


僕らは魔女の顔を覗き込んだ


涼子 「本当だ、ふつうになって来た」


僕  「ちょっと・・ みんな静かにして・・」


魔女 (すやすや・・)


僕ら 「・・」


伐  「こ、こいつは何か・・ 寝ているのか・・?」


インジゴ 「気を失ってるんじゃないの・・」


伐  「そんなヤワな生きものかよ!」


涼子 「もうっ! ふざけないでよっ!」



僕らはすっかりバカバカしくなって、てんでに遊びだした

それにしても、さっきはいったい何が起こったんだろう・・


夕方になって、僕らのご飯の時間になっても魔女は起きなかった

怒った《ユリぼうず》が飛び蹴りをくらわせ、やっと魔女が起きた

僕らはさっきはいったい何事だったのかと尋ねた



それは思いもよらないバカバカしい話だった

聞いて呆れて下さい・・


ゴシゴシ!とすごい勢いで顔を洗っていた魔女は

勢い余って・・

こともあろうに片方の小指を鼻の穴に突っ込んでしまったんだ


例の長~い、長~い爪を・・ 思いっきりね 

突き刺したのね 鼻の穴に


凄い勢いで突き立てられた長い爪によって

これまた凄い勢いで鼻から血が噴出し

大量出血してしまった訳で・・


魔女の生まれて始めての鼻血はかなり壮絶だった