水玉
![偵察](https://stat.ameba.jp/user_images/5a/78/10007476227_s.jpg?caw=800)
昨日《ジョン ブリアン》が以前の出来事を思い出して日記に言った
それで僕も思い出したんだ!
それはまだ《ジョン ブリアン》がここにやって来る前のお話
そして、これは教室じゃないくて、洗面所での出来事
その時魔女は顔を洗っていた
僕はちょうど洗面所の出入り口から家の中に入って来た所だった
面倒な事にはやたらせっかちになる
そんな魔女の顔の洗い方は、これまたせっかちな熊のようだ
ゴシゴシ! ガシガシ! ゴシガシゴシガシ!!
僕 (顔の洗い方までどう猛だぞ・・)
ゴシゴシ! ガシガシ! ゴシ・ガシ・ゴシ・ ガッ!
「う・・ うぎゃあああああ~
」
洗面所から廊下に出かけた僕が振り返って見たものは・・
洗面台に顔を突っ込んで半分うずくまった魔女の姿
僕 「魔女!どうしたの!!」
魔女 「う~・・ う~・・ うぅ~・・」
僕 「大丈夫?!」
魔女 「うっ・・ うっ・・ う・・」
僕 「うわあ~!!」
ようやく顔をあげた魔女を見て
僕は、本当に、本当に飛び上がった!
顔が・・ 顔が・・
魔女の顔が塗りつぶされていてよくわからない・・
魔女は手で鼻らへんを押さえていたが
その手の間から、ボッタボッタと何かが落ちてくる
この臭いは・・ 怪我をした時の臭いだ
その状態のまま
魔女の片手が、後ろのタオルを取ろうともがいている
しかし、タオルまで手が届かず
また洗面台に顔を突っ込んでしまった
そしてその格好のまま動かなくなってしまった
僕はその場に立ちすくんでいた
それはすごく長い時間だったように思う
やっと魔女が動き、水道の水を出し、顔を洗い始めた
顔を洗い終わると、魔女はタオルを取って鼻を押さえたまま
ヨタヨタとお部屋に入って行き・・
お腹を上にして倒れ、また動かなくなった
ジンジン 「魔女、どうしたの!」
インジゴ 「すごい悲鳴だったよ」
魔女 「・・・」
ジンジン 「魔女、どうしたの 何か言ってよ 」
ユリぼうず 「この様子は普通じゃないな・・」
ジンジン 「そんな事見れば分かるよ!」
伐 「おい、これはかなりマズい状態じゃないか!」
インジゴ 「魔女、しっかりして!」
僕 「洗面所で突然何かが起こったんだよ」
涼子 「いったい何が起こったの?」
僕 「わかんない・・」
ユリぼうず 「この役立たずがっ!」
僕 「何だよそれ!」
それで僕と《ユリぼうず》が喧嘩になったんだけど
いつもだったら止めに入る魔女なのに
この時は、おでこに立てジワを作り
鼻から下にタオルを乗せたまま動かなかった
僕たちは本格的に心配になり
みんなで魔女のまわりに集まっていた
それは僕たちにとってすごいストレスだった
《ジンジン》は心配のあまり、とんでもない声を出して泣き出した
インジゴ 「どうしよう・・」
僕 「目も開けないよ・・」
ジンジン 「びゃ~おおぉぉぉぉ~ ひゃ~うおぉぉぉ~
」
ユリぼうず 「みんな、集中しよう・・」
伐 「何に集中するんだよっ!」
ジンジン 「ひゃ~おおぉぉぉ~ うひゃ~おおおぉぉ~
」
ユリぼうず 「うるさいっ!!」
それから暫くして
インジゴ 「ねえみんな・・ おでこのシワがなくなっているよ」
僕ら 「どれどれ」
僕らは魔女の顔を覗き込んだ
涼子 「本当だ、ふつうになって来た」
僕 「ちょっと・・ みんな静かにして・・」
魔女 (すやすや・・)
僕ら 「・・」
伐 「こ、こいつは何か・・ 寝ているのか・・?」
インジゴ 「気を失ってるんじゃないの・・」
伐 「そんなヤワな生きものかよ!」
涼子 「もうっ! ふざけないでよっ!」
僕らはすっかりバカバカしくなって、てんでに遊びだした
それにしても、さっきはいったい何が起こったんだろう・・
夕方になって、僕らのご飯の時間になっても魔女は起きなかった
怒った《ユリぼうず》が飛び蹴りをくらわせ、やっと魔女が起きた
僕らはさっきはいったい何事だったのかと尋ねた
それは思いもよらないバカバカしい話だった
聞いて呆れて下さい・・
ゴシゴシ!とすごい勢いで顔を洗っていた魔女は
勢い余って・・
こともあろうに片方の小指を鼻の穴に突っ込んでしまったんだ
例の長~い、長~い爪を・・ 思いっきりね
突き刺したのね 鼻の穴に
凄い勢いで突き立てられた長い爪によって
これまた凄い勢いで鼻から血が噴出し
大量出血してしまった訳で・・
魔女の生まれて始めての鼻血はかなり壮絶だった