無駄骨 | まじょねこ日記

まじょねこ日記

魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください

ジョン ブリアン


《アゾ》は今日もお外遊びだ

結局、魔女が《アゾ》についてお庭に出たのは2日分と半だけで

今日は僕らに《アゾ》を任せて外には出なかった

寒いから嫌なんだ・・


僕らは《アゾ》とお外に出て・・

(う・・さ、寒い・・)


それでも《アゾ》だけは元気に遊びだした

お庭をピュンピュン走っている

お家の周りをバンバン走っている


僕らはその様子を玄関先にうずくまって見ていた


グアシッ! バリバリバリ!


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勢い良く木に飛びついて、てっぺんまで登って行ったよ


元気だなあ・・



インジゴ 「私、寒いからお家に入る」


僕  「もう?!」


水玉 「外は寒いから、僕も・・」


僕  「《水玉》もお家に入っちゃうの?!」


水玉 「いや・・ せっかく外に出たんだからさ」


僕  「一緒にいてくれるんだね!」


水玉 「《涼子》のアパートにでも行ってみるかな・・」


僕  「行っちゃうじゃん・・ 《ジンジン》はいてくれるでしょ!」


ジンジン 「・・僕はちょっと行くところがあるんだ」


僕  「どこ?」


ジンジン 「ちょっと・・」



僕には想像がつくんだ


《ジンジン》はどこか行く振りをして外階段を上って行き

駐車場にまわって

申し訳なさそうな顔をして・・

猫用出入り口からお家に入るつもりなんだ


残されたのは大はしゃぎの《アゾ》と寒がりやの僕


僕は《アゾ》がどこかに行きそうになると

急いで《アゾ》の所に駆けて行って、


「ここから下に降りたらダメだよ」とか


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「道に出ると危ないからここからは行っちゃいけない」


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なんて注意をしながらくっついて歩いた


寒いよ・・ 僕だってお家に入りたい・・

鼻水 垂れてきた


顔を上げると目の前に《伐》のお墓があった



僕 (《伐》、僕寒いよ・・ お家に入りたい・・)


伐 (《ジョン ブリアン》、お前は俺に似てるな・・)


僕 (そう?)


伐 (一生懸命《アゾ》の面倒をみてるじゃないか)


僕 (・・僕が初めてここに来て心が心配だった時、いつだって《伐》がくっついて僕の面倒を見てくれたんだよね)


伐 (俺は真っ黒で、体も特大だから最初はみんな怖がるんだけどな・・)


僕 (僕は《伐》にいろんなことを教わって成長した。《インジゴ》だって最初は怖がってどこかに隠れていて出て来なかったけど、ご飯の時間になると《伐》が呼んで連れて来て、《インジゴ》がご飯を食べている間中そばにいてあげてたよね。)


伐 (そうだったな・・ そんな《インジゴ》もやっと魔女にべったりになったな)


僕 (知ってたの!)


伐 (俺はニャバーランドからおまえたちの事を見てるって、そしてみんなの日記を楽しみに読んでるって言ったろ)


僕 (そうだったね)


伐 (《ジョン ブリアン》、おまえがどんなに頑張っているかは俺が知っているから、あの相変わらずバカな魔女がわからなくったって、俺がわかってるからな)


僕 (うん・・)



なんだか心がぎゅ~っとなって僕は思わず下を向いてしまった

いろんな事を思い出した



子供の頃はぼくだって毎日走り回ってばかりいた

「空を飛ぶんだ!」

と言って、外ではとんでもなく高い所から飛び降りたり

家の中でも猫ハウスのてっぺんからバンバン飛び降りては、空を飛ぶ練習ばかりしていた



初めてお外に出たときはいつだって《伐》が一緒にいてくれた

危ない事、行っちゃいけない所、やっちゃいけない事

何もかも《伐》に教わったんだ



そんな事を考えながら

ふと顔を上げると・・


《アゾ》がいない!


《アゾ》はどこ! どこに行っちゃった!


僕は焦った・・


どうしよう・・ どうしよう・・


僕は鳴いて《アゾ》を呼んだ

だけどあたりはシンとしていて・・


草の動く音さえしない


探さなくちゃ! 《アゾ》を探さなくちゃ!

僕は走り出した

家から続く隣の敷地を通って、ずっと先まで行った


いない・・


それからというもの

僕はそこらじゅうを探し回ってもいないから・・

自分が行ったこともないくらい遠くまでも行ってみた

頭の中は《アゾ》の事でいっぱいだった


もうどもくらい探し続けているんだろう

僕はくたくたになっていた

気がついたら辺りは暗くなり始めて・・


僕の心が泣きべそをかき始めた


その時、《伐》の 「《ジョン ブリアン》、家に帰れ」 という声がして

遠くから魔女の僕を呼ぶ声が聞こえた


僕はお家に向かって走った

泣きべそのまま走った


家の前に魔女がいた

僕は魔女に飛びついた


僕  「魔女、《アゾ》が、《アゾ》がいなくなっちゃった あせる


魔女 「こんな時間までずっと探していたんだね・・」


僕  「どうしよう・・ どうしよう・・あせる


魔女 「《アゾ》はとっくに家に帰ってるよ」


僕  「え・・?」


魔女 「《アゾ》はみんながお部屋に入っからって、じきに自分も帰って来たんだよ」


僕  「・・ あせるあせるあせる


魔女 「今日は《ジョン ブリアン》がうんと偉かったから、夕食はみんなよりいっぱいあげるね。 『もういいです!』っていうくらい食べていいからね!」


僕は晩ご飯を何回もお代わりして

ガツガツ食べた

泣きながらガツガツ食べた


夕食の後、ストーブの前で冷えた体を温めていたら

《アゾ》がやって来た


「ゴメンネ」って言うかと思ったら・・

いきなりかみついてきた


僕は感情的になってしまって

このオットセイを思いっきりぶってしまった


それでもオットセイは、ほっぺをぶ~っと膨らませ

僕をしつこく襲って来るんだ


《伐》・・ 僕は辛いです・・