ユリぼうず
僕らは毎日《アゾ》に振り回されている
《アゾ》がお庭に出ると
他のみんなは玄関先やお庭で
座っていたり、横になったりして見張っているんだけど
《ジョン ブリアン》なんて心配性なんだか、優しいんだか・・
ず~っと《アゾ》にくっついて監視しながら行動してる
僕は《アゾ》がお外にいる時は、外出禁止の実刑を受けているから
ほとぼりが冷めるまではベランダから高みの見物だ
( ケッケケ、ケッケ!! みんな大変そうだな・・ クックク、クック!)
しかし夜になって・・
お部屋では《アゾ》がひとりはしゃぎをしている
みんな《アゾ》の無駄走りの犠牲にならないように端っこに避難して・・
だってすごい目をして激走して来て僕らを踏んで行くんだよ
その時、僕はぐっすり眠っていた
すると・・ いきなり
僕 「痛ったいー!!」
アゾ 「ガブガブ! ガブガブ!!」
僕 「なにするんだよっ!!」
アゾ 「オッ、オッ、オットシェーハァ~ カッ、カッムンダッカラ!!」
僕 「なんで僕をかむんだよっ!」
アゾ 「・・」
僕 「訳なんてないか・・」
ジョン ブリアン 「《アゾ》に言ってやった方がいいよ・・」
ジンジン 「そうだよ説教をした方がいいよ」
僕 「わかった!」
インジゴ 「説教・・ 《ユリぼうず》が?」
僕 「僕だって説教くらい出来るど」
アゾ 「セッ、セッ、セッキョオ~ 」
水玉 「何だか浮かれてるぞ・・」
僕 「《アゾ》!僕をかむな! 《アゾ》だってオットセイになる前は僕に散々かまれてうんと痛かっただろ!」
水玉 「なんだか勝手な言い分だな・・」
アゾ 「アッ、アッ、アジョハァ~
イ、イッソガシインダッカラ~」
僕 「忙しい、って・・ ただ無駄に走り回っているだけじゃないか、しかも、かむ事の言い訳になってないよ!」
アゾ 「アッ、アジョノ~ コッ、コッコロガァ~
ハッシレ、ハッシレ、ッテ イイマスノデェ~」
僕 「心が走れと言う・・」
アゾ 「コッコロガァ~ イイマスノデェ」
僕 「・・ ・・ こ、心はしゃべらないよ!」
ジンジン 「《ユリぼうず》って、情緒のないやつだな・・」
アゾ 「ソ、ソレデェ~ コッコロガ
カメカメト イイマスカラ~」
僕 「かむのね・・」
水玉 「納得するな!」
アゾ 「ツッカレタ・・カナ・・」
僕 「だからって、寝そべって説教されるか!」
アゾ 「サッ、サッレル・・ ナ」
僕 「生意気な・・」
アゾ 「・・」
僕 「それから、《アゾ》・・ トイレで寝ないで!
僕が入れなくてお尻がぶるぶるしちゃうんだよ!」
水玉 「みんながだろう・・」
アゾ 「ア、ア、アジョハ~ オッ、オットシェー ダッカラ・・」
僕 「だから・・?」
アゾ 「イッ、 イシノォ ウエデェ~ ネマスカラ~」
僕 「ダメだこりゃ・・」
アゾ 「オッキナ イシガドッコニモナインダッカラ~
コッ、コッマカイトイレノォ イシデ ガマンヤッテマス~」
僕 「魔女・・ この口の達者なオットセイを海に返して来ておくれ・・」
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