失せ物 | まじょねこ日記

まじょねこ日記

魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください

ジンジン


jinjin061123


魔女は体の調子がなかなか治らなくて・・


夕べはららママから貰った人間の薬を目の前に置いて

自分の心の整理に時間をかけ

それを飲む決心をした


普通の人間より少ない量を飲んだのにも関わらず



ジョン ブリアン 「魔女、夕べ薬を飲んでから寝っぱなしだ・・」


インジゴ 「もうお日様はてっぺんを過ぎているよ・・」


アゾ 「ゴ、ゴハン・・ タベタイ、 ゴハン・・ チ、チョウダイ」


僕  「可愛そうに、お腹が減ったんだね」


ユリぼうず 「そんなことより、僕の薬の時間はどうなってるんだ!」


アゾ 「ゴ、ゴハン・・ タベルネ・・」


水玉 「魔女が起きてこなきゃ食べられないんだよ」


アゾ 「ゴ、ゴハン・・ タベル ダカラ 汗


インジゴ 「《アゾ》、我慢しな・・」


アゾ 「汗 ゴ、ゴハン タベル ダ、ダカラ・・あせる」 


水玉 「仕方ないな・・ ちょっと待ってて、何か探して来るから」



それで《水玉》はベランダの戸を開け、下の家の屋根に飛び降り

お腹を空かせているみんなのご飯を探しに出かけた


その間も、お腹を空かせた《アゾ》はずっと泣いていた


しばらくして・・


猫特有の  「食べ物ですよ~」

の鳴き声が遠くから聞こえてきた


僕らは一斉にベランダの手すりに飛び乗って、声の方を眺めた

何かをくわえた《水玉》が、下の道を登って来るのが見えた


僕らは 「《水玉》~!」 

とみんなして声を張り上げて呼んだ


《水玉》は  「食べ物ですよ~」 

と鳴き続けながらこっちに向かって走り出した


口に大きな袋をくわえて

上手くピョンピョンと壁やら屋根やらに飛び移りながら

それをベランダまで運んで来た


そして僕らの前に袋を置いた


煮干だ・・


それは使いかけだったけど

みんなで分ける分くらいはあった


《水玉》は袋を僕らの前に置くとお部屋に入ってしまったから

僕が歯と爪でそれを破いた


真っ先に《アゾ》が食べ始めた


「う~ぅぅ~!うぅ~!」


と唸りながら・・


こんな時、《アゾ》はまだ半分ノラなんだな・・ って思う


それでも、周りで僕らが煮干をくわえても何をするわけでもない

《アゾ》はただ無意味に唸っているだけだ


《ユリぼうず》は・・

それは自分が食べてはいけないものだと知っているから

《水玉》と一緒にお部屋にいた


小さい《アゾ》に好きなだけ食べさせたから

僕らのお腹はちっとも一杯にはならなかった



ジョン ブリアン 「魔女はどうしてなかなか病気が治らないの?」


僕  「どうしてなんだろうね・・」


インジゴ 「薄着だからじゃない?」


水玉 「そうだね・・ そういえば薄着だよ!」


僕  「外に行く時も少ししか服を着ていなくて寒そうだよね」


インジゴ 「他の人間みたいに暖かそうなの着ないよね」


ジョン ブリアン 「魔女は僕らみたいに毛が生えていないのにね」


インジゴ 「貧乏だからじゃない?」


僕  「でも、この前の冬は着てたよね・・」


ジョン ブリアン 「着てた! 暖かそうなの、着てた」


水玉 「今の冬はなんで着ないんだ?」


インジゴ 「でも、昨日《ユリぼうず》を病院に連れて行く時はちょっと暖かそうなの着て行ったよ」


ジョン ブリアン 「あれは、家族①の服じゃん!」



そんな話をしている最中に


家族①が帰って来て

元気のない僕らの様子に驚いて

魔女を起こしに行った


魔女はふらふらで、引きずられるようにしてお部屋に入って来た


そして家族①に説教をされたが

ちっとも聞いていなかった



家族① 「魔女、薄着してるんだって?! そんなだから病気が治らないんじゃん!」


魔女 「・・・」


家族① 「その椅子にかかってる服、私のよね!」


ジョン ブリアン 「やっぱり・・」


魔女 「・・」


家族① 「自分のガあるでしょ! どうして自分のを着ないの」


魔女 「・・」


家族① 「こら!座ったまま寝ない、 何でそんなに薄着なの!」


魔女 「去年・・ コートとか、ふ・・冬物の暖かそうな服を・・どこに納まったのかわかんない・・」


家族① 「・・? どこにしまったのかわかんない?」


魔女 「わかんない・・」


家族① 「探したの?」


魔女 「あちこち探した・・」


家族① 「ないの・・?」


魔女 「ない・・」


僕ら&家族① 「・・・」