水玉
![mizutama07119](https://stat.ameba.jp/user_images/b0/84/10036634193_s.jpg?caw=800)
夕べ、魔女は夜も仕事でいなくて
家族は寝ちゃって
お部屋には僕たちだけがいた
ユリぼうず 「さて! 暴れる?」
ジョン ブリアン 「今日は寒いから暖かいカーペットで寝てたい・・」
インジゴ 「私もここでホカホカしていたい」
ユリぼうず 「ちっ!」
それで《ユリぼうず》も諦めて僕たちはお気に入りの場所でめいめい寝ていた
インジゴ 「なんか・・ぞわぞわしない?」
ジンジン 「おい、《ユリぼうず》、なんで乗っかって来るんだよ!」
インジゴ 「ちょっと私も乗っけて」
ジョン ブリアン 「僕も・・」
ジンジン 「みんな・・ 苦しいよ・・」
夜もめっきり遅くなって
魔女 「ただいま~! あれ?みんな、なんでてんこ盛りになってるの?」
僕たち 「・・・」
魔女 「ああ寒い! みんなちょっとどいてよ」
魔女はそう言って、カーペットの上の大きなひざ掛けにもぐり込んだ
魔女 「・・・?? つ、冷たいっ!!」
ユリぼうず 「ね~・・」
魔女 「なに? また壊れたわけ? もう勘弁してよお!!」
それから魔女はカーペットのスイッチを暫くガチャガチャやってたけど・・
カーペットは、二度と暖かくはならなかった
「もう、 20年以上使っていたからなぁ・・」
魔女はそうつぶやいてやっと諦めた
そして今日・・
魔女は朝から部屋中を広告のチラシで埋め尽くさんばかりにして
安いカーペットを調べた
そして買って帰って来たんだけど
カーペットの箱は凄い事になっており
それは、魔女が車の大きさと、カーペットの箱の大きさについて何も考えなかった結果で
2人しか乗れない車の助手席に箱を無理矢理押し込んだもので
(その品物はお持ち帰り商品とかいう特別に安い物らしく・・)
魔女が帰って来た時の様子を
たまたま駐車場にいた《ユリぼうず》が語るに
「箱が車を運転して来たかと思ったよぉ! でも、よく見たら、箱に押し潰された魔女の歪んだ顔が見えて、箱側の手はさぁ、何ていうの? あのラジオ体操の途中みたいになってたんだ。 あれは見なきゃ損だったよ ケッケケッ、ケッ!!」
そしてそれを早速お部屋に敷いたんだけど・・
僕らはこの見知らぬ物を怪しんだ
インジゴ 「なに? この我が家の臭いのしない怪しげな物は・・」
僕 「こいつは僕らをどう思ってるんだ?」
ジョン ブリアン 「僕、恐い・・」
ジンジン 「正体がわからないな・・」
ユリぼうず 「生意気だな・・」
魔女 「ただのカーペットに向かってみんなして何つまんない事言ってるのよ!」
ユリぼうず 「いいや・・ こいつは只者ではない」
魔女 「まったく・・ どうしようもないな・・」
アゾ 「ア、アジョノ オ、オヘヤアー!」
僕ら 「・・・?」
アゾ 「オ、オッキイィ~ オヘヤ~!」
魔女 「何言ってんの?」
アゾ 「ア、アリガト・・ ゴジャマス・・」
そう言って《アゾ》は早速カーペットに乗っかっり
目を細めてそこでモミモミまで始めた
僕らはカーペットの真ん中でゴロゴロ言いながら寝そべっている《アゾ》を、カーペットの外から眺めていた
ユリぼうず 「なんて警戒心のない猫なんだ! このぶんじゃ、そのうちにさらわれてしまうな」
魔女 「カーペットに乗るのと、さらわれる事と何の関係があるの!」
ユリぼうず 「魔女・・ 寒い・・」
魔女 「だから買ってきたんでしょうが、いいから早く乗っかりなさい」
ジンジン 「何者かもはっきりしないし・・」
僕 「そんなに簡単に信じる事なんて出来ないよ・・」
インジゴ 「そうよ!はっきり正体を見極めるまでは・・」
ジョン ブリアン 「《アゾ》のお部屋だって言ってるし・・」
魔女 「ああ、もう・・ みんないったい何なのよ!」
僕らはいまだに、カーペットのまわりにいる
《アゾ》だけが大きなカーペットの真ん中で気持ち良さそうにしている
《ユリぼうず》がどう頑張って手を伸ばしても到底届かない真ん中に寝そべって・・
ユリぼうず 「ううむ~ あそこから1歩でも出てみろ、必ず襲ってやる・・」
魔女 「なんてややっこしい猫たちなんだ・・」
僕ら 「魔女~ さむいよお~ わ~ん」
魔女 「知らないよっ!!」