魔女の子供時代 Ⅱ ~財宝を求めて~ | まじょねこ日記

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魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください

魔女 ドクロ



ある夏の日、森の向こうに大きな虹か架かった


虹のつけ根には財宝が埋まっている

以前父がそう教えてくれたっけ・・


財宝・・

財宝・・

財宝!!


魔女は早速動物の家族を引き連れて財宝探しに出かけた

目指すは虹のつけ根だ


猫はハックルとベリー

狐はトムで、狼はソーヤといった


高い丘に向かう道を勇んで歩いて

それから森に入って

歩いて、歩いて、歩いて・・


虹は遠いね


狼と狐はまだまだ元気だったけど

猫たちが疲れたと言っては木陰で横になってしまう


それでも魔女たちの姿が遠ざかると2匹の猫は必死で追って来た


虹は遠いね


あ・・ 虹が・・ 消えてく


魔女は走った  本気で走った

けど、魔女がどんなに必死で走っても、虹には届かず


それは消えてしまった


そして夕暮れの赤い空だけが残った

それから辺りはあっという間に闇になっていった


夜の森をうろつくのは危険だ

子供ながらも、なぜかそんなことだけは知っていた


私たちは洞窟をみつけて、そこでみんなしてかたまって眠った

狼のソーヤがちょっとした音にも反応して、夜中に何度も首をもたげていた



夜が明けて、家に帰るぞ!

と、森の中を歩き出した


途中に渓流を見つけた

わあ! 綺麗な石がいっぱいある・・

財宝の一部かもしれない・・

拾う!!


綺麗な石はキリがないほど沢山あった

動物の家族にも手伝って、と頼んだのに・・

誰も財宝にはまったく興味がないみたいで


狼と狐は川の中で、ドッチャンバッチャン遊び続け

猫たちは岸辺で居眠りを始めた


その後覚えたく言葉でいうなら

それは、彼らとの間にある価値観の違いというものを自覚し

ひとりで石を集めている自分の姿に

疎外感というものを覚えた時だった


財宝を入れるために持って行った袋に綺麗な石をいっぱい詰め

それを引きずるようにして山を下った


途中の木に果物を見つけ、木に登ってそれを夢中で食べた

そんな魔女の姿を、動物達がじぃ~っと見ているのに気づき

みんなにも食べさせようと、果物を抱え木から下りて

「たべな・・」ってあげたら、「いらない」って言われた

この時もちょっと悲しい疎外感を覚えた


途中で  
水の音が聞こえた・・ 

しかし川の音とは違ってそれは地響きのようだった

その音を頼りに森の中を進むと、ものすごく大きな滝を見つけた

辺りの空気はゾクッとするほど涼しく

水に足を入れると痛いほど冷たかった


私たちはそこでゴクゴクと水を飲んだ

みんなで腹這いになっていつまでも飲んだ

それは疎外感がなくてとても幸せな時間だった


私たちは滝の周りを探検することにした

滝の側面を登っている時


猫のベリーが滝壺に落っこちた!


私たちは滑るようにして下まで降り、水辺に駆け寄った

ベリーは冷たい水の中で両手をドチャバチャさせ

必死の顔を水面に突き出していた


魔女は咄嗟に、何か捕まらせるものを探した

潅木が目に付いたがそれはあまりに大きく、子供の力ではどうにもならなかった


そうこうしているうちに、ベリーが流され始めた

魔女は叫びながらベリーを追った

自分でも何を叫んでいたのまったく覚えていない


ベリーが岸辺から離れて行く・・



           

続きはまたこの次ね