涼子
![ryouko07224](https://stat.ameba.jp/user_images/b9/a6/10016611770_s.jpg?caw=800)
《ジョン ブリアン》 にはトラウマが甦り
魔女は自己嫌悪に陥っているため
朝からシケた空気が部屋に漂っている
私はあれから 《ベス》 とも遊んでないし
本当につまらない毎日だ
それにしても・・
魔女が自己嫌悪って、あり得なくない?
私 「魔女! 何よその顔」
魔女 「放っておいて・・」
私 「暗いわよ、家庭が!」
魔女 「・・・」
私 「く・ら・いっ!!」
魔女 「出来る事なら・・ 手術なんてさせたくなかった・・」
私 「みんなしてるじゃん」
魔女 「うわ~ん」
インジゴ 「魔女、どうしたの?」
魔女 「《インジゴ》 もみんなもごめんなさい・・」
ジンジン 「なにが?」
魔女 「魔女が貧乏なばかりに、みんなに手術なんて不自然な事させてしまって・・」
ジンジン 「僕たち別に普通だけど、手術するとどうにかなるの?」
魔女 「それは、言えないっ!」
私 「なんなのよ!」
魔女 「とにかく、決して良い事ではないの!」
私 「なら、なんでしちゃったのよ」
魔女 「うわ~~ん」
私 「なんなのよっ!!」
水玉 「そんなにイジイジしてたってもう手術はしちゃったんじゃん」
魔女 「うわ~~ん」
ユリぼうず 「泣くな! うるさいっ!!」
魔女 「・・・」
水玉 「くよくよしたってどうしようもないでしょ」
魔女 「だって・・ だって・・」
インジゴ 「じゃあ、どうしたら気が済むの?」
魔女 「どうしたって ダメだよ・・ 」
私 「自分を罰したらいいんじゃない?」
インジゴ 「なに言ってるのよ」
魔女 「そうか・・ そうすれば少しは償いになるかも・・」
水玉 「別にそんな事しなくてもいいよ・・」
魔女 「いや、少しでも償いをしなくては気が済まない」
ジンジン 「いったいどうやって自分を罰するの?」
私 「魔女が耐えられない事を自らやればいいのよ」
インジゴ 「例えばどんな事?」
私 「そうねぇ・・ 魚を食べるとか、野菜を食べるとか?」
私以外 「ええ~っ!!」
魔女 「・・ つっ・・償いだから・・食べる」
私以外 「食べるのお~!!」
魔女は買い物に行った
それで、本当に大っ嫌いな魚と野菜と、おまけに貝まで買って帰って来た
償いだからね
そして魚と貝で夕食を作り始めた
魚が嫌いな割りには、丸々1匹の魚をあっという間に骨と身に分けた
ナイフを持たせると何でも切っちゃうんだよね
そして骨やなんかを私たちにくれた
でも、この魚の骨は硬くて食べられなかったわ!
そして、その身をまた切って、私たちの嫌いなにんにくとしょうがに漬けた
それを見て私はつぶやいた 「ずるくない?」
貝はスープ(味噌汁)にしてた
魚はから揚げだ
私たちにはとってもいい匂いなのに
魔女は鼻を押さえ、すごく嫌な顔をしながら料理をしていた
人間の夕食の時間になって・・
魔女の家族は 『美味しい!』 って言って食べてたんだけど
魔女の顔は、まるで安物の鏡で写したみたいに歪んでおり
一言も喋らずに、魚をギュウギュウ口に押し込んで
一気にスープを飲んだ
そして、魔女だけがあっという間に夕食を終えた
その頃には、魔女の顔は見違えるほどやつれてしまっていた
魔女 「き・・気持ちが悪い・・」
ジンジン 「だいじょうぶ?」
魔女 「気持ち悪・・」
私 「そんな事より・・ 魔女、野菜はどうしたの!」
魔女 「あ・・ 魚と貝を料理するのにイッパイイッパイで忘れた・・」
私 「明日は野菜を食べるんだよ!」
魔女 「はい・・」
お部屋の中が、どたどたと騒がしくなって
《ジョン ブリアン》 と 《アゾ》 が追いかけっこをしたり、ふざけたりして
キャーキャー言いながら楽しそうに遊び始めた