ジョン ブリアン
《ばつ》・・
ぼくがうまく日記を言えないのに
そんな日記なのにみんなが読んでくれて・・
「がんばってるね」って
おはげましてくれるんだよ
やさしい人たちがいっぱいいるって知ったよ
ぼくは、そんなことを考えながらねむったら
ゆめの中で 《ばつ》 に会ったんだぁ
ぼくと 《ばつ》 のしゃしん
伐 「おい、《ジョン ブリアン》、さんぽ行こうぜ!」
ぼく 「 《ばつ》・・ 帰って来たの!」
伐 「別に帰って来た訳じゃないけど・・ おまえと遊ぶかな、って思って」
ぼく 「さんぽ、どこ行く?」
伐 「俺と一緒だったらすんげえ遠いとこまで行けるぞ」
ぼく 「帰れなくならない?」
伐 「大丈夫さ! おまえ、どこ行きたい?」
ぼく 「だって・・ ぼくこのあたりしか知らないから・・」
伐 「そうだな・・ じゃあ、山のてっぺんでへんてこな月でも見るか?」
ぼく 「うん!」
伐 「俺について来い!」
ぼく 「わかった!」
《ばつ》 はすぐにふぁ~ふぁ~しながら進んだ
ぼくはどうしたらいいんだろう・・ と思っていたら
体がかってにふぁ~ふぁ~しだして 《ばつ》 といっしょにすすめた
こんな気分ははじめてだぁ
遠いお山には、なんでだかすぐについた
《ばつ》 といっしょに、お山のてっぺんにすわってお話しをした
ぼく 「 《ばつ》、帰って来てよ」
伐 「それはダメだ・・」
ぼく 「どして・・?」
伐 「俺と一緒に生まれた 《なでしこ》 が淋しくなっちゃうからな」
ぼく 「 《なでしこ》?」
伐 「うん、あいつまだちっちゃい子供のうちにニャバーランドに行っちゃったんだ。 生まれた時から体が弱くてさ・・ あいつ、やっと俺に会えたから喜んじゃって・・」
ぼく 「 《なでしこ》、かわいそうだったんだね・・」
伐 「今は幸せそうだぞ、《エダ》母ちゃんもいるし、それに 《今日ちゃん》 もいるしさ」
ぼく 「 《ばつ》 は 《今日ちゃん》 とは、なか悪かったじゃん」
伐 「ニャバーランドではみんなが仲良しなんだ。もう誰も喧嘩なんてしない。 それにすんごいんだぞ!いつでも腹一杯なんだ!」
ぼく 「どして?」
伐 「わからん・・」
ぼく 「ふしぎだね」
伐 「もっとすごい事があるんだぞ、聞いて驚け!!」
ぼく 「なぁに!」
伐 「 《今日ちゃん》 がな、ふわふわの犬になったぞ!!」
ぼく 「ええっ~!!」
伐 「すげえのは、その犬見ても、すぐに 《今日ちゃん》 だって分かる事なんだ」
ぼく 「犬なのに?」
伐 「不思議だろ? そんでもって犬の 《今日ちゃん》 は毎日楽しそうに走り回ってるんだぞ!」
ぼく 「長い間びょう気で動けなかったからかな?」
伐 「きっとそうなんだろうな」
ぼく 「ぼく、犬になった 《今日ちゃん》 を見たい! 《なでしこ》 にも会ってみたい! ニャバーランドに連れてって!」
伐 「だめだ! ニャバーランドに行ったらもう二度と戻れないんだぞ。 やっぱ、帰りたい・・と思っても遅いんだ。みんなと 『さよなら』 したいのか?! 《ジョン ブリアン》 がいなくなったらみんなが、魔女が、どれだけ悲しむと思ってるんだ!」
ぼく 「なら 《ばつ》 はどうして行っちゃったの・・
みんなをいっぱい悲しませて!」
伐 「行きたくなんかなかったさ・・ でも、きっと、それが俺の運命だったんだろ・・」
ぼく 「ぼく、さみしいよ・・」
伐 「そんなこと思うな・・」
ぼく 「だって 《ばつ》 はぼくにうんとやさしくしたよ。いつだってちっちゃいぼくのめんどうをみてくれたじゃん。ぼくはうれしかったんだよ。 いつも 《ばつ》 がいっしょで楽しかったのに・・」
伐 「なら 《ジョン ブリアン》、俺がしたのと同じ事を誰かにしろ。 これからもきっと悲しい猫が魔女の所に来るかもしれないぞ。その時、自分がしてもらって嬉しかった事を思い出して悲しい猫に優しくしてあげるんだ。 それで帳尻が合うんだぞ」
ぼく 「ちょうじり、ってなあに?」
伐 「そのうちわかるさ・・ 《ジョン ブリアン》、長生きしろよ・・」
他にもいっぱいお話しをしたけどぜんぶは思い出せない・・
朝、まじょを起こしてさっそく 《ばつ》 のゆめのお話しをした
まじょが言った
「夢の中で 《伐》 に会えて良かったね! 魔女はそういう夢をみないのが悲しいよ。 それにしても不思議だね・・ ちよちゃんもニャバーランドの 《今日ちゃん》 がふわふわの白い犬になってピョンピョン飛び跳ねてる夢をみた、って言ってた・・」
ならきっと 《今日ちゃん》 は白い犬になったんだね
ぼくは、おさんぽ中の白い犬をみたら
「あ・・ 《今日ちゃん》 だ!」 って思いそう