魔女に叱られた・・《伐》 | まじょねこ日記

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魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください



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今日、俺・・

おれ・・魔女にぶたれた


廊下に猫砂の袋が置いてあって

そこを通りすがる時、ふと懐かしく思い出したんだ


そう言えば・・ 前に 《今日ちゃん》 が、同じように置いてあった猫砂の袋におしっこかけてたっけ

そんな事を考えてたら俺、思わず 《今日ちゃん》 の真似をして

おしっこかけちゃった・・


そこを魔女に見つかって・・ ぶたれた

その上、この前 「この家は俺の縄張りです!」 の印に、玄関にちょっぴりおしっこかけといたのもバレてて・・

玄関まで引っ張って行かれ、そこでも叱られた


魔女がぶつなんて事、めったにない


俺はショックで・・

本当にショックで


嫌われたな、 きっと嫌われた・・



むしった庭の草を入れた大きなゴミ袋を見つけて、俺はそこに入った

(これはゴミの日に捨てるんだろう・・ 俺も一緒に捨てたらいい)

俺は泣きながら草の入ったゴミ袋を掘った

もぐりこんじゃえば・・ いいんだろ


「痛っ!」 なんか刺さった

こんな痛いものが入ってるゴミ袋にもぐったら痛すぎるだろう


泣きながら物置に行った

大きな空の段ボール箱を見つけた

(ここにもぐりこんでしまおう・・ そしてもう一生ここから出ない事にしよう)

俺はちょっと高いところにある段ボールに入った

ところが入ったとたん、箱はぐらぐら揺れ出し

俺を入れたまま下に落っこちた


俺はいろんな事をやってみた

その間、俺はずっと泣き続けていた

自分でも (俺は何でこんな変な声を出しているんだろう・・) と思った


そんな俺を 《ユリぼうず》 と 《水玉》 が怪訝そうな顔をして見ていた

俺があんまり変な声で泣くものだから、他のみんなも外に出てきた


俺はもう自分が何をやっているのか、どうしたいのかも分かんなくなってた

とにかくもう家には帰れないんだ・・と思った

そしたら悲しくなってすごい大声で泣いた



ユリぼうず 「 《伐》、いったいどうしたの? ようすが相当変だよ」


俺  「俺、家に帰れない・・」


ユリぼうず 「どうして?」


俺  「魔女が・・ 魔女が・・ 俺はもういらない、って」


ユリぼうず 「そおなんだ・・ 《伐》 はもういらないんだ」


水玉 「 《ユリぼうず》、何言ってんだよ!」


ジンジン 「本当に魔女がそう言ったの?」


俺  「俺には分かるんだ・・ だってぶったもん」


ジョン ブリアン 「 『ごめんなさい』 したらいいじゃん、ぼくいつもしかられる時そうやってるよ


俺  「ごめんなさい・・ したらいいのか?」


ジョン ブリアン 「したらいいんだよ!」


俺  「そうなのか? そしたらいいのか?」


ジョン ブリアン 「そしたらいいんだよ!」



『ごめんなさい』 しようと思った


待てよ・・ ごめんなさいの気持ちをちゃんと伝えないと

品物だ、なにかプレゼントをしよう


それからおれはあちこち探した

これといって何も見つからない・・


すごくい時間が過ぎて、やっと虫を一人見つけた


(これでいいか・・ 小さい・・ でも持ってこうかな)



俺  「魔女~~ あのぅ、 魔女~~ (情けない声だな・・)」


魔女 「なに?」


俺  「これ・・」


魔女 「まぁ、イナゴさん、可愛い顔! 怪我はさせてないわね」


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俺  「魔女にあげる・・ けがさせてないよ、 

    それで・・おしっこの事、ごめんなさい・・」


魔女 「ホントだよ! まったく臭いんだから絶対にやめてよ!」



やっぱまだ怒ってる

そのまま俺は走り去った

(やっぱ、俺がおしっこをひっかけた事に比べたら、イナゴはあまりにも小さ過ぎるんだ・・)


俺は草むらでねばっていた

もうずいぶん長い時間耳を寝かせて伏せている

大きなプレゼント・・  がやって来た!

慎重に・・ 失敗は許されない・・


俺は捕まえた

これだったら豪華だな



俺  「魔女~ 魔女~」


魔女 「どした? 《伐》 」


俺  「はいどうぞ!」


魔女 「わっ! でっかいスズメ!!」


俺  「ケガさせてないよ、勝手に眠っちゃったけど」


魔女 「失神してる・・ けど確かにどこも怪我はないね」


俺  「凄いでしょ!」


魔女 「うん、ありがとう」



俺が口からぽろんと魔女の手のひらに置いたスズメさんは

まだ眠ったままだ

眠ってるスズメさんを魔女がそっとなでてた


じきにスズメさんは片目を開けた

それから両目とも開いて、ちょっと首をねじって魔女を見た


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魔女は俺の頭をなでてから

「大切にするね」 と言ってお家に入って行った



少しして、ベランダの方から 「バサバサ!」 と音がして

大きなスズメが空に飛んでった

俺らは 「でっかいスズメが飛んでるねぇ」 といいながら

目でそれを追った



俺は急にそこらじゅうを走りまわリたい気分になった


やみくもに近所を駈けずりまわっていると

お化け屋敷の庭に遊んでいる 《涼子》 と 《ベス》 が見えた

楽しそうに二人でおにごっこをしている


《ベス》 がボロボロになっている

ありゃぁ、トミニャガさんが帰ってきたら怒るな


でも 《ベス》 は本当に楽しそうだ