この前の土曜日、僕らは教室でまったりしていた
特に土曜の午後、ちょっと遅めの時間は
高校生や大学生や、お勤めをしている大人の人が多い
それでお話しも楽しいんだけど・・
やたら話に水を差すのが魔女なんだよね
魔女 「たまちゃん、将来の夢は?」
たまちゃん 「ぼんやり暮らしたい」
魔女 「わかる!!」
マキさん 「それって、究極の夢じゃない!」
魔女 「くまちゃんは、男だから大変だね、結婚して家族を養ったりすれば否が応でも働き続けなきゃならないね。そりゃ大変だぁ、あぁ、大変だぁ~」
くまちゃん 「・・・」
とりとめのない話・・
ある時
まおさん 「恋愛って・・ 長く続かないの、どうしてかしら・・」
ゆきさん 「そう、そう、どっちかが冷めちゃったりして・・」
魔女 「当たり前じゃん、続いたら死ぬわ!」
ゆきさん 「激しい恋がしてみたい!」
魔女 「やめときな、体に悪いから」
まおさん 「何で先生はそんな水を差すような事ばっかり言うんですか!」
ゆきさん 「そうよ!永遠に続く目も眩む様な恋が出来たら最高だ!」
魔女 「そりゃ、むりだな・・」
ゆきさん 「なんですか!その言い方」
魔女 「恋愛なんてドーパミンを放出してるだけじゃん。激しい恋とかしちゃって、ドーパミンが出過ぎると幻覚見るぞ!」
まおさん 「幻覚?」
魔女 「そぉ、幻覚。そうなると現実と幻覚の境目が分かんなくなっちゃって、自分が勝手に幻覚見ておいて、やれ捨てられただの、嫌われただの、話しが違うだの言い出しかねない。相手にも迷惑だ!」
まおさん 「まさか・・」
魔女 「ほ~んとだよぉ いつまでも燃え上がっていたいなんて言うけど、それはドーパミンが出っ放しになっているって言う事で、それがずっと出っ放しだと死んじゃうよ。 いつまでもアツアツでいて死んじゃうのと、冷めて生き続けるのと、どっちがいいのさ?」
ゆきさん 「・・・」
魔女 「人間の体はうまく出来ていて、これ以上でたら体に悪いと判断したら、死なないようにドーパミンを減らしてくれるんだ。それで恋も冷め現実が見えるようになる、めでたしめでたし!」
ゆきさん 「めでたし・・ めでたし・・?」
魔女 「みんなフツーで良かったね!! 」
ゆきさん 「私、魔女先生の前でこんな話ししなきゃ良かった・・」
まおさん 「私も話す相手を間違えたみたい・・」
僕 「《ユリぼうず》、恋ってすごそうだね」
ユリぼうず 「それはおいしいもの?・・」
僕 「聞く相手を間違えた・・」
伐 「俺、ドーパミャン出た事あるかも・・」
じんじん 「マジで!」
伐 「要するに誰かを好きになるって事だろ?」
僕 「どうもそうらしいけど・・《伐》、誰かを好きになった事あるの?!」
伐 「ある けど誰を好きになったか思い出せない・・」
僕 「なんだよそれ!」
じんじん 「ドーパミンの量が少なかったんじゃない?」
伐 「少なくて良かったよ! 多かったら死ぬとこだった」