インジゴ
私 「ねえ、《伐》、トミニャガさんちってどうだった?」
伐 「・・トミニャガさんがいた」
私 「当たり前でしょう!どんな生活したのか聞いているのよ」
涼子 「やっぱ、刺身三昧なわけ?」
伐 「一回だけな」
涼子 「毎回刺身じゃなかったの?!」
伐 「最初もらって、次の晩ご飯の時缶詰出されたから食べたら『あら、《伐》君は刺身じゃなくてもいいのね』 って・・」
涼子 「ばっかねぇ、そういう時は我慢して食べないでいるのよ。 そうしたら最後に必ず刺身が出たのに」
伐 「だって俺、目の前に食べ物あったら我慢できない性分だし、しかもうちのご缶詰よりずっと高級だったんだぜ!」
涼子 「まったく、あったま悪いんだから・・ 人生はかけ引きなのよ!」
ジョン ブリアン 「おもちゃはあった?」
伐 「 《ベス》 がいっぱい持ってた。でも俺がそれで遊ぼうとすると鼻にシワを寄せて 『シャー!!』 っと怒るんだ。それで魔女が言ってくれたらしく、トミニャガさんがスーパーボールをいっぱい買ってくれたんだ」
ジョン ブリアン 「よかったね!」
伐 「良くねえよ!全部俺のものなんだぜ、だれも欲しがらないんだぜ、 どうするんだよ・・ どうするんだよ・・」
ジョン ブリアン 「ひとりじめできたんでしょ」
伐 「だからそれが問題なんだろうよ! 俺はスーパーボールを隠す必要がないんだぞ、わかるか!」
ジョン ブリアン 「わかんない・・」
伐 「俺はここの家で、お前たちからスーパーボールを奪い取るのが楽しみなんだよ!それを庭の草の中に隠したり、時には土に埋めたり部屋の中なら水の茶碗につっこんで誰にも取れないように考えたり冷蔵庫の後ろに押し込んだり、テレビ台の下にころがしたり・・」
ジンジン 「でも、自分が隠した所を全部忘れてるじゃん」
伐 「・・・ そ、それでもいいんだ!隠す事に意義があるっ」
ジョン ブリアン 「トミニャガさんちには【いぎ】っていうあそびがないの?」
伐 「ない!何にもない!! しかも 《ベス》 に 『遊ぶか?』 って聞くと『遊ばない』 って即答だぞ! 《ジョン ブリアン》 だったらピャ~ピャ~言って喜ぶだろうに、ってその時思った・・」
私 「服の着心地は?」
伐 「おお、あれを着るとな、元気なくすぞ・・ ぐったりするぞ・・」
涼子 「採レモちゃんの忠告を聞かないからだよ」
伐 「まあな・・ それにしても 《ベス》 はすごいよ。 服を汚さずにトイレができるんだぞ!」
水玉 「 《伐》 は汚しちゃったの?」
伐 「うんちが・・ちょっと付いちゃった」
ジョン ブリアン 「きったな~い」
伐 「俺のせいかよ! 服のせいだろうがよ」
ジンジン 「んじゃ、毎日何してたの?」
伐 「寝てた・・ それで、みんなとご飯食べたり遊んだりする夢みるようになちゃって、起きたら違うくって・・」
私 「それで逃げてきちゃったの?」
伐 「そうだよ!俺がやっとの思いで家に逃げ帰ったというのに、みんなして逃げ出したろう!」
ジンジン 「だってどこから見ても 《伐》 に見えなかったもの」
水玉 「そうだよ、そかも 《伐》 の臭いじゃなかったし」
伐 「おお、俺、風呂に入ったんだ。 その後、良い匂いの物を体につけてもらったぞ」
魔女 「 《伐》、トミニャガさんちでトイレ借りておいで」
伐 「なぁ~んで?!」
魔女 「いいから!もう、『うちの子になって』 とは言われないから安心して行って来な」
伐 「トイレならここにあるじゃん!」
魔女 「あんたのおしっこは大量だから砂がもったいないのよ!」
伐 「セケェ~!!」