先日他院にて4ヶ月ほど膝の治療をしたが改善がないという患者さんが来ました。

また50代の方で今までどんな治療をしたか伺うとレントゲンは異常ないとの事で3回ほどヒアルロン酸を打ったそうでした。

50代ということでレントゲンはたしかに異常ないと思います。

そこでエコーで膝を確認したところこんな感じでした。




割と多めの水腫を認めます。
注射の際に水は抜いていたか聞いたところ水は溜まっていないので大丈夫と言われたそうです。
これは大きい病院の整形外科医ほどやりがちな話で、私もそうでしたが大きい病院で勤務している時はエコーなどを診察室の傍に置いておらずわざわざ一人一人にエコーを膝に当てることはありませんでした。
しかし開業医になってからはエコーがいつもすぐそばにあるためことある事にエコーをみる習慣がついており膝の水腫も見逃すことがなくなりました。(水腫を確認するだけであれば患者さんに検査の料金を請求することはありません)
膝の水腫は膝蓋跳動という所見で確認するのですが実際に僕もエコーを普段よく使うようになって分かったのですが触診で膝蓋跳動なしと思ってもエコーで確認すると意外と水が溜まっている事が多いことが分かりました。
この方もエコーなしで膝蓋跳動のみで判断すると水は溜まっていないと判断してしまってもおかしくありませんでした。
膝蓋跳動は体が柔らかかったり細身の方の方が分かりやすいですが膝が硬かったり体の大きい方は分かりずらいです。
実際穿刺すると


40ccほど関節液が引けました。

ここで大事なのはヒアルロン酸を打つ時に水が溜まっていると効果が落ちてしまうということです。
ヒアルロン酸は抗炎症作用をもつゼリー状液体のため
水で薄まるとゼリー状態による膝の庇護効果が失われてしまいます。濃度が下がることで抗炎症作用も落ちてしまうのでこの方は3回注射したそうですが効果が少なかったのかも知れません。

ただ膝の痛みをとるために本当に重要なことはヒアルロン酸ではありません。
それはなにか?

それはまた別の機会にお話しますね|ω・`)♡