昨日、12日はお稲荷さんの日だったようだ。伏見稲荷で初午大祭(はつうまたいさい)が行われていたことを知ったのは、当日の夕方ぐらいだった。

奈良時代の711年(和銅4年)2月の初午の日に、稲荷山の三ヶ峰に稲荷大神が初めて鎮座したそうだ。

京都の伏見稲荷は、子どもの頃から両親が現在の土地に引っ越すまでの大阪時代、ずっと我が家に神棚があって、護っていただいていた。うちの御祭神は、三ノ峯の白菊大明神だったんだよと、神棚がなくなってから聞いた。

私は、猿田彦っていう神様が好きで、なんで好きになったのかよくわからないけど、大天狗みたいな出で立ちと手に持った鉾にしびれたのだった。

その猿田彦の存在に気づいたのが、京都伏見にはじめて一人で登った時だった。糖尿を患っていた父が、足の傷が壊死しかけていて入院した。その時にふと、生きたくなったのが伏見稲荷だった。

上までお山をするつもりは全くなかった。というのも、息子達が置きっぱなしにしていた高校受験の時に父がくれた、東丸神社の御守が目に止まり、ふと返しに行こうと思い立ち、スカートでヒラヒラと出かけてすぐ帰るつもりでいた。

東丸神社は、伏見稲荷のふもと?横の方にちょろっといる勉学の神様。そこに行くだけのつもりだった。

そしたら観光客の波にはまって流されるように、気がついたら千本鳥居の中にいたのである。

戻ろうにも、満員電車のようで戻れない。

歩いていくうちに、好奇心に火がついて、ここから先に何があるんだろう✨だけの感覚で一ノ峯まで登ってしまった。

父の足が良くなるよう、また元気に歩けるよう、健脚祈願も兼ねて、一ノ峯とニノ峯で手ぬぐいを買って、なんとなくてっぺんのを父にあげた。

ずっとずっと初詣は、この山道を登っていた父。祖父も登っていたらしい。我が家のルーツでもあった伏見稲荷。我が家は代々、男性だけが初詣をするという習わしだった。なのでずっと、初詣ってなんですか状態で大人になったのだ。

自分がたまたま手にしたニノ峯の御祭神は誰なんだろう?って調べてみたら、猿田彦だった。それが出会いで、存在を知ることになった。

ずっとずっと待ってたのかもしれない。わからんけど。

そんな伏見稲荷の、昨日は大事な日だったみたいだ。なので、おいなりさんを作って食べた。お参りはしなかったけど思いは馳せた。



キツネと言えば、この歌かなぁ☺️