スイスの本二冊紹介「スイスの歴史ガイド」「狼の口」 | ジュネーブに暮らす

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先日ジュネーブの国際宗教改革博物館に行ったら、ショップコーナーに何故か日本語のスイス本が置いてあり、手に取ってみたら地図の素晴らしさ、内容、レイアウトの見やすさに一目惚れし、買って一気読みした。

 

スイスの歴史ガイド
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コンパクトにスイスの歴史がまとまっていて、箇条書きで探しやすいので、あれなんだったっけ?という時のレファレンス用にもとても使いやすい。

 

何より素晴らしいのが冒頭に記載されている訳者作成の地図。カラーで地勢図、州、言語圏などが記載されていて、主だった峠もきちんと記載されている。本文に出てくる地名もほぼ網羅されているので、常に地図で場所を追いながら読み進めることが出来る。

 

 

これを読んで、改めてしみじみと思ったのが、スイスはサンゴッタルド峠の所産なのだということ。サンゴッタルドはドイツとイタリアを最短距離で結ぶアルプス山脈の峠で、13世紀に付近の山岳の民が開削以来、南北交通の大動脈となってきた。峠の周辺の農村共同体は、峠の交易から大きな利益を手にし、神聖ローマ皇帝に直接仕える特権も得て、これらの共同体が結んだ同盟協定が現在のスイスの原型となった。時代を下って第二次大戦中には、ナチスドイツにとって、サンゴッタルド峠を通ってイタリアに抜ける幹線輸送路を連合国側の攻撃から守ることが至上命題であり、スイスがナチスの侵攻を免れた理由の一つだったと言われている。

 

そんなことをつらつらと考えていたら、すごい漫画を見つけた。(って、日本では有名なんだろうか?)

 

狼の口 ヴォルフスムント
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このサンゴッタルド峠が舞台で、14世紀初頭にここを支配していたハプスブルク家とスイス原初3州との攻防が描かれている。

こんな渋い場所をテーマにした漫画があったとは。そしてこの漫画、下記の【ヨーロッパ歴史戦争漫画】トップ10で、何と堂々1位にランクインしている。
https://www.zubizubilife.com/ranking/1750

 

漫画なので当然いろいろ脚色はあるものの、結構史実に忠実に書かれているようで、峠を挟んでイタリア側に逃れつつハプスブルクとの戦いに備える様子など非常に興味深い。ヨーロッパの歴史を題材にした漫画、他もいろいろ気になって大人買いしちゃいそうな自分が怖い。