9月16日
菅田将暉のコンサートグッズを買った後、
目黒にある「百段階段」へ行きました。
「百段階段」とは通称で、
ホテル雅叙園東京の前身である
目黒雅叙園3号館にあたる木造建築の
7部屋を99段の階段廊下で繋いでいる
もので、東京都指定有形文化財に
なっています。
ここでは、企画展が開催されていて、
以前から行ってみたいと思って
いました。
そこで、今回のコンサートの日を
確認したら企画展が行われている
期間と合致したので当日の予定に
組み込みました。
JR目黒駅を出て、
下り坂を歩いていきました。
結構急な坂で、帰りはきついだろうと
思いました。
約5分程で目指す雅叙園に着きました。
ホテルの入口左側に企画展の案内が出ていました。
今回行ったのは
「和のあかり」という企画展でした。
その側に「お七の井戸」がありました。
八百やの娘お七は、恋こがれた寺小姓
吉三あいたさに、自宅に放火し、
鈴ヶ森で火刑にされた。
吉三はお七の火刑後、僧侶となり、
名を西運と改め、明王院に入り、
念仏行を行った。
当時の明王院は雅叙園のエントランス
付近から庭園にかけて明治13年頃まで
あった。
この明王院境内の井戸で、西運が
念仏行に出かける前に、お七の菩提を
念じながら、水垢離をとったことから
「お七の井戸」と言い伝えられている。
とありました。
ちなみに、水垢離(みずごり)とは
冷水を浴びて身体の穢れを祓い清める
事です。
歌舞伎の演目で有名な「お七、吉三」と
縁がある所である事を初めて知りました。
ホテル正面玄関
正面玄関を入ると、すぐ左手に
百段階段の受付がありました。
1600円を払って入場。
螺鈿(らでん)エレベーターで
上がりました。
エレベーターの中も
螺鈿細工で“唐獅子牡丹“が描かれて
いました。
唐獅子
エレベーターを降りたフロアー正面の展示
百段階段への入口(エレベーターの横になる)
入口で靴を脱いで上がる。
和風の家具とあかりの中に
猫が寄り添う展示がありました。
廊下を進むと、正面にショップ、
目指す百段階段は右側との案内が
ありました。
百段階段の入口
階段廊下を上がる。
最初の部屋の
「十畝(じっぽ)の間」に入る。
部屋の名前は、この部屋の絵を手掛けた
画家・荒木十畝の名にちなんで
名付けられています。
この部屋で、
竹取物語をモチーフにした
竹のあかりが展示されていました。
部屋の天井は格子状で、
四季の花鳥図が描かれていました。
次の間へ階段廊下を上がりました。
漁樵(ぎょしょう)の間
この部屋は床柱、欄間、天井が彫刻で
装飾されていて、その部屋の中に、
陰陽師の世界が広がっていました。
欄間の彫刻
この部屋は床柱に彫られた中国の
画題「漁樵問答」に由来している
との事です。
「漁」は漁師、「樵」は木こりの
事で、床柱の左の柱には漁師、
右の柱に木こりの姿が彫られている。
との事でしたが、
展示の関係で左側の床柱の漁師しか
確認出来ませんでした。
次の部屋へ上がりました
草丘(そうきゅう)の間
鯉が泳いでいました。
天井絵は“花“
正面には龍の姿が見えました。
後でガイドブックを読んでわかった
のですが、
この部屋は、昔は天気の良い日には
富士山が見えて昼間の宴会場として
人気があった。
本来、前室と本間の2部屋だったものを
1つにしたので、欄間絵が異なっているとか、
本間の天井絵は“鳥の絵“が精密に
描かれているとありました。
企画展の展示自体は良かったのですが、
部屋として、その違いを見れなかったのが
少し残念でした。
次の部屋へ上がります。
静水(せいすい)の間
2部屋を使って、
いろいろ作家さんのアート作品が
展示されていました。
天井の花鳥画を撮り忘れましたが、
この絵を描いたのが、部屋の名前の
由来となった橋本静水です。
星光(せいこう)の間
階段を上らず、静水の間から
行けました。
ここでは“善悪の物語“というテーマで
展示がされていました。
部屋の名前は、この部屋が京都出身の
板倉星光によって装飾されている事から
来ています。
階段を上ります。
ここでは階段を上がる所の写真は
ありません。
ここまで、エレベーター内とか
階段廊下には人物が写ってなかったと
思いますが、実際には、お客さんが
多くて、人の流れが少し途切れるのを
待って撮るようにしました。
ここでは人の流れが途切れなかった
事もありました。
清方(きよかた)の間
この部屋には鏑木清方が手掛けた
絵が飾られています。
前室の欄間には祐天上人が幼少の頃に
不動明王が夢に現れたという伝説、
中央には目黒に住んでいた九代目
市川團十郎など、清方の絵を通じて、
目黒の歴史を感じる事が出来る部屋
でした。
この部屋を使って、
和の飾り物が展示されていました。
階段を上がります。
99段?。
理由は最後に書きます。
最上階の“頂上の間“です。
ここでは、“天女の羽衣“という
テーマで展示が行われていました。
部屋の中では、白い羽衣がイメージされた
展示がされていました。
部屋全体が暗くされているので
天井画を鑑賞する事は出来ませんでした。
上がってきた階段を降ります。
次回の企画展の案内が置かれていました。
一番下へ着き、
降りて来た階段廊下を
振り返りました。
2階エレベーターの入口、
この螺鈿(らでん)細工も綺麗でした。
百段階段への出入口に
和風家具と猫の展示がありましたが、
その中の一匹の猫をアップで撮りました。
陶芸品ですが、生きているようでした。
JR目黒駅から雅叙園へ来た道を
登るのはきついと思っていた所、
ホテルのシャトルバスがあるのが
わかり、利用する事とし
エントランスで少し時間待ちを
しました。
その時に撮ったものです。
前方に、先程行って来た
百段階段の受付と入口が見えます。
待ち場所近くに貼ってあったホテルの
案内図から
「正面玄関から百段階段のあたり」を
切り取りました。
なるほど、こんな配置だったんだと
納得しました。
最後に、
訪れた「百段階段」は、階段数が
「99」なのに、なぜ「百段」なのかと
いう事ですが、
ショップで購入したガイドブックに
書かれていた事を書き留めます。
その理由は諸説あります。
例えば、
古来中国では奇数がおめでたい数字と
言われており99段にした。
あるいは、100は完全な数字で
後は満月が欠けるが如く衰退を
イメージするため、一つ手前の99を
良しとした、などです。
現在のホテル雅叙園東京では、
これで完璧なのでなく、これからも
一層発展していくという気持ちを
込めて、あえて99 段にしたと
考えています。
今回訪れて、“百段階段“が
どういう所か実感出来ました。
また、今回の企画展はこのような
素晴らしい場所を使った良さを
充分に見せてくれました。
12月から1月にかけて部屋だけを
見学出来る企画展の案内が出て
いましたが、スケジュールがあえば、
ぜひ一度見てみたい、
また、予定出来なかった時には、
いつかぜひ訪れてみたいと
思いました。
とても良い時間を過ごせました。
13時過ぎにホテルを後にして、
今回の主目的であった
菅田将暉のコンサート会場へ
戻りました。