1月〇日 チャンミンの日記
僕はこの家の末っ子です。勿論ユナとジュナがいますが、彼女達は別格です。
まだまだ彼女達は家族全員から守られるべき愛されるべき存在です。
しかし―3兄弟の中では僕が末っ子です。
たとえ2歳も違わないとは言えユチョンヒョンは長兄です。
僕より純粋で、かわいらしく振舞おうとジュンスヒョンも僕の兄です。
なのに・・・何故だ・・・・。
どうしていつも僕が家族の心配をしないといけないのでしょうか?
どうして僕が知らず知らず我慢を強いられるのでしょうか?
今朝もそうです。
僕は母さんに相談したいことがあって、キッチンで作業をしている母さんに近付き用事が済むの
待っていたのです。
「ダダダーッ」
音を立ててやって来たのはジュンスヒョン。
「母さん、僕のお気に入りのゲームソフトが見当たらないんだけれど・・・」
「ジュンちゃんが後片付けしないから。チャンミンに隠されたんじゃないの?」
(『ドキッ。確かに過去に隠したことはありますが、今回は無実です。』 by チャンミン)
「ねえねえ~一緒に探してよっ。」
(『ジュンスヒョン、あなた3歳児ですか?』 by チャンミン)
「机の上の箱の中に整理しておいたから確認してみて・・・・」
「やったあーさすが母さん」
僕が母さんに近付こうとしたら何かが凄い勢いで駆けていきました。
「母さん、ちょっと見てー。」
「ユチョン、どうしたの?」
「父さんの犬小屋つくりを手伝っていたら、木の粉みたいなのが飛んできたんだ。
ちょっと目の中に違和感があって・・・・。」
「父さんに見てもらわなかったの?」
(『そうですよ、ユチョンヒョン。側にいる父さんに見てもらえばいいじゃないですか、どうしてわざわざ
遠くいる母さんの所に来るんですか?』 byチャンミン)
「嫌だよ、恐いもの。何か無茶されそうで。」
「ほら見せて。あっ、何かある、ちょっと待って・・・」
母さんティッシュの先をよじって唾で濡らして目の中のゴミと格闘しています。
「取れたーっ」
「ありがとう」
そう言ってここぞとばかりに抱きつくユチョンヒョン。
ユチョンヒョンは満足したのかやっと元のところへ帰っていきました。
今度こそ、やっと僕の番です。
「かあ・・・・・」
「ジエジュン~」
(『また邪魔ですか~。しかも一番一番手のかかりそうな一筋縄ではいかないような・・・・』
byチャンミン)
「どうしたの、ユノ。そんな情けない声だして。」
「見て、見て。トンカチで自分の手を誤って打って血豆ができちゃった。痛いよ~。」
(『全く、不器用ですね。父さん、一体、何歳児ですか。ウチはいつから保育園になったのでしょうか』
by怒りモード全開チャンミン)
「ユノが慣れないことするから。大体、起用そうに見えてチョー不器用なくせに・・・。チャンミンにやってもらったらいいのに。見せて、あ~本当だ、赤くなったね。フーフーしてあげる。薬も塗ってあげるね。」
(『母さんあんまりです。』by チャンミン)
母さんは父さんの指に薬すり込み言いました。
「痛いの痛いの飛んでいけ~。ユノ、ほら、もう大丈夫だよ。」
「うん、もう大丈夫だ。ジエジュン~」
父さん、母さんを見つめます。(『何だかヤバイ空気です。』byチャンミン)
「ジエジュン、もう一つ痛い場所があるの?」
「えっ?他にも怪我したの?」
「乾燥した中で作業していたら、唇が切れちゃった。」
「本当、痛そうだね。リップクリーム持って来ようか?」
「いや、そうじゃなくて・・・、フーフーしておまじないしてくれたらいいよ。」
(『もう熱が出そうです。見たくないです。1、2、3・・・』byチャンミン)
僕の目の前で・・・・ご想像にお任せします。
やっぱり知りたいですか?じゃあちょっとだけ教えますね。
父さんの唇にフーフーした母さんの唇に父さんが噛み付いたのです。
「ジエジュン、何か甘いよ~。」
「さっきお菓子つくりしていてハチミツを舐めたから・・・・」
母さんがそう言うと父さんは再び母さんの唇を味わうのでした。
「もういいや・・・」
僕は意気消沈してリビングのソファーに座ってテレビを見ることにしました。
それから暫くして、みんながぞろぞろとダイニングに集まってきました。
休日の午後2時半はみんなでティータイムを楽しむのです。
僕も少し遅れていきました。
「母さん、もう一つ頂戴。余分があるでしょ。」
「駄目。そのかわり母さんの分けてあげるから~。」
「ハイ、ユチョン」
「ジエジュン、俺にも・・・」
何だか僕はとても寂しくなって、その場から立ち去り、ガレージに置かれた父さんの車に入りました。
心も体も寒くて後部座席に体を丸めて座っていました。
『僕って末っ子なのに、何だか損な役回りだな~。クスン』
ガラにもなくセンチな僕になってしまいました。
その時です、ガラス窓をコンコンと叩く音が聞こえました。
母さんの顔が見えました。その後ろには父さんもいました。
ドアが開いて
「チャンミン、どこに行ったかと心配しちゃった。ごめんね、チャンミンも話したいことあったんだよね。」
「知っていたんですか?」
「気になっていたけれど、みんなが次々にやって来たから、つい後回しになったの。ごめん。
ハイ、チャンミンのプリン。」
差し出されたプリンはみんなのものより4倍はありそうでした。
「そのプリンは上手いぞ。」
「いただきます。それにしてもどうして僕がここにいるってわかったんですか?」
父さんと母さんは顔を見合わせて笑いました。
「だって、チャンミンは小さいときから何か気に入らないことがあるとこうして車の中に籠もっていたから。
不満があれば言えば良いのに、本当で言いたいことは言わなくて、ここで自分で気持ちの整理していたから・・・」
僕は母さん達がそれを知っていることが驚きだった。
「いつも母さんと車の外でお前の様子を窺っていたんだ。母さんと父さんができないときはユチョンとジュンスがしてくれた。.」
僕はちょっと、いや、かなり嬉しくて涙が滲みそうでした。
やっぱり僕は末っ子のようです。
これからも、少し我侭を言いながら頼れる末っ子でいようと思います。
おわり
写真はおかりしました。