『農林水産関係予算の概要について(その2)』 | まいたち昇冶オフィシャルブログ Powered by Ameba

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『まいたち昇治の活動報告』第54回

 今回は林業と水産業のH27補正及びH28当初予算の概要について説明します。

(林業)
● 大臣折衝の結果、次世代林業基盤づくり交付金は2.3倍の61億円

 林業関係予算はH28当初3,090億円と前年度当初から80億円の増加となりましたが、H27補正で540億円が確保され、合計3,620億円(前年度当初比20.3%増)となりました。

 概算要求段階で林野庁が最も重視した予算項目のひとつに、「次世代林業基盤づくり交付金」があります。概算要求の200億円に対し、当初財務省は前年度と同額の27億円を内示しましたが、大臣折衝の結果、34億円上乗せされ、61億円が確保されました。

 本交付金は、地域の実情に応じた川上から川下までの取組を総合的に支援するもので、間伐・路網整備や中高層ビルの材料に使える強度を持った木材パネル(CLT【直交集成板】)等を製造する木材加工流通施設、木質バイオマス関連施設、苗木生産施設等の整備を支援します。

 また、H27補正のTPP対策として「合板・製材生産性強化対策事業」290億円が盛り込まれました。合板の関税はTPP発効から11年目に撤廃されるため、原木供給の低コスト化を含めて合板・製材の生産コストの引き下げや新たな販売先の開拓に取り組み、国際競争力を強化する必要があります。そのために、大規模・高効率の加工施設の整備、そうした加工施設への原木の安定供給のための間伐・路網整備を支援するものです。本事業は基金化されるので、長期的な取組が可能となります。

 次世代林業基盤づくり交付金以外では、以下のような施策が拡充されます。

*新たな木材需要創出総合プロジェクト 30億円(H28当初12億円+H27補正18億円)
 中高層建築等に活用できるCLT・耐火部材など新たな製品・技術の開発 4億円
 地域材の利用拡大支援 9億円+補正18億円

*花粉症対策の推進 4億円
 成長に優れた品種や花粉の少ない品種等を対象として、採種園等の造成・改良、コンテナ苗の生産技術研修を支援するほか、花粉症対策苗木への植え替えを促進する
 
*違法伐採対策の推進及び緊急対策事業 2.4億円(H28当初0.4億円+H27補正2億円)
 違法伐採対策の体制整備にむけて、現地の違法伐採情報等の収集・蓄積を図るとともに、合法木材の普及を促進する

 なお、鳥獣被害防止対策は、H28当初では前年度と同額ですが、H27補正で各々上乗せが図られています。

① 鳥獣被害防止総合対策交付金 H28当初95億円+H27補正12億円
 鳥獣被害対策実施隊の増設・捕獲活動の実施、進入防止柵の設置、捕獲技術高度化施設や処理加工施設の整備、ジビエ活用の推進等を支援する

② シカによる森林被害緊急対策事業 H28当初2億円+H27補正1億円
 シカによる森林被害が深刻な地域において、国と自治体の広域的な連携の下、シカの計画的な捕獲・防除等を緊急的に支援する

● 森林吸収源対策関係予算は総額1,890億円

 2013~2020年における地球温暖化防止の国際公約を達成するために求められる森林吸収量を間伐実施面積に換算すると、年間52万haになります。今回、森林吸収源対策関係予算は1,890億円(H28当初1,390億円+H27補正500億円)が確保され、47万ha分の間伐は実施可能となりますが、52万ha分の間伐達成にはまだ5万ha分の予算が不足しています。過去数年間と同様、不足分は来年度の補正予算を期待せざるを得ない状況です。

 なお、森林吸収源対策関係予算とは、主に公共事業の森林整備事業や治山事業の中の保安林間伐事業のことですが、非公共の「合板・製材生産性強化対策事業」(H27補正のTPP対策290億円)にも間伐事業が含まれています。

● 一定の道筋がついた森林環境税(仮称)

 ところで、予算ではなく税制改正に係ることですが、長年の懸案であったいわゆる森林環境税について、一定の道筋がつけられました。

 昨年末に策定されたH28年度税制改正大綱において、「森林吸収源対策の財源確保に係る税制措置」については、次のように位置づけられました。

a) 地球温暖化対策税について、木質バイオマスのエネルギー利用の本格的な普及にむけたモデル事業や技術開発、調査への活用の充実を図ることとし、経済産業省、環境省、林野庁の3省庁は連携して取り組む

b) 森林環境税(仮称)について、都市・地方を通じて国民に等しく負担を求める税制等の新たな仕組みを検討する。その時期については、適切に判断する


 この上は、大綱の記載が絵に描いた餅に終わらないよう、3省庁の連携を促進するとともに、できる限り早期に新税の創設を図り、日本として責任ある地球温暖化対策を進めてまいりたいと思います。

(水産業)
● 補正予算で重点予算を先取り確保

 水産関係予算はH28当初では前年度当初より22億円減の1,897億円ですが、H27補正との合計は2,404億円で、対前年度当初比25.3%増を確保することができました。H27補正は507億円と500億円の大台となり、その内、結果的にH28年度の重点施策を先取りする格好となったTPP関連対策は280億円に上ります。

 TPP関連対策は、(1)持続可能な収益性の高い操業体制への転換を図るための「水産業競争力強化緊急事業」225億円と(2)高品質な我が国水産物の輸出等の需要フロンティアの開拓を図るための「水産物輸出拡大緊急対策事業」55億円に分かれますが、とくに(1)の競争力強化事業は現場の関係者から強く要望されていたもので、基金化され、複数年度の相当な期間にわたり、資金が安定的に確保された点は評価できます。

 競争力強化事業は以下のとおり5つの支援策で構成されます。なかでも現場の関心の高い3つの事項(漁船リース、施設整備、省燃油ソフト活動)について説明を加えます。

[水産業競争力強化緊急事業]

① 広域浜プランの策定等に対する支援 5億円
 広域的な漁村地域が連携して取り組む浜の機能再編や中核的担い手の育成等を目指す「広域浜プラン」の策定、養殖用生餌の安定供給等の収入向上・コスト削減の実証的取組を支援

② 水産業競争力強化のための取組に対する支援 80億円
 イ)競争力強化のため、共同化を核とした効率的な操業体制の確立に取り組む漁業者グループを支援 40億円
 ロ)生産性の向上、省力・省コスト化に資する漁業用機器等の導入を支援 40億円

③ 水産業競争力強化のための施設整備 62億円
 高鮮度化、産地市場統廃合等による競争力強化を図るための共同利用施設の新設・改築、既存施設の撤去を支援

④ 水産業競争力強化のための漁船導入に対する対策 70億円
 広域浜プランに基づく担い手へのリース方式による漁船の導入や国際水準に見合った漁船の導入を支援

⑤ 水産業競争力強化のための金融支援 7億円
 漁業用機器や漁船の導入に係る借入資金の実質無利子化等を支援

● 施設整備 「強い水産業づくり」関連予算は総額141億円

 上記③の施設整備62億円は、対象先を「競争力強化」に限ることを条件に新規で認められたものです。主に産地市場の統廃合が想定され、それに伴う施設の撤去費用も支援されるのが新しい点です。なお、競争力強化に該当しない、漁港の荷揚げリンチやクレーン等の整備は、「強い水産業づくり交付金」で扱われます。

 強い水産業づくり交付金は非常に人気のある交付金で、共同利用施設等の整備のほかに漁港・漁村における防災・減災対策の取組等を支援するものです。H27当初(35億円)の2倍を超える80億円(H28当初41億円+H27補正39億円)が確保されました。上記③の施設整備62億円と合わせると、強い水産業づくり関連予算は総額141億円に上ります。

● 資源管理・資源調査の強化

 次に、概算要求の主要な柱であった資源管理・資源調査の強化と水産物の加工・流通・輸出対策について、予算の確保状況を総括します。

 資源管理については、H26年秋からH27前半にかけて党の水産部会「資源管理ワーキングチーム」で議論を深め、資源調査・研究体制の充実を図ることの重要性を水産庁、関係者等と共有してきました。概算要求では46億円を要求しましたが、結果として、H28当初は41億円確保され、H27当初より2億円の増となりました。主な事業は以下の2つで、資源評価の精度向上、市場調査や人工衛星、漁船等を活用したデータ収集の強化等に取り組むほか、より的確な漁場形成・海況予測を行うものです。

 *我が国周辺水産資源調査・評価推進事業 16億円
 *国際水産資源調査・評価推進事業    12億円


● 水産物の加工・流通・輸出対策

 水産物の加工・流通・輸出対策のH28当初予算は、H27当初と同額の15億円ですが、H27補正のTPP対策(水産物輸出拡大緊急対策事業)55億円が加わり、総額は70億円になります。主な事業は以下のとおりです。

・水産物輸出促進のための基盤整備 30億円(TPP対策)
 大規模流通・輸出拠点漁港を核とした地域において、一貫した衛生管理の下、集荷・保管・分荷・出荷等に必要な共同利用施設等を一体的に整備する

・水産物輸出促進のための緊急推進対策 25億円(TPP対策)
イ)輸出先国のHACCP基準を満たすための水産加工・流通施設の改修、
ロ)輸出先国の品質・衛生条件への適合に必要な機器整備、
ハ)海外でのプロモーション活動 等を支援します。

・国産水産物流通促進事業 8億円
 水産物流通の目詰まり解消を図り、国産水産物の消費拡大につなげるため、以下を支援します。
イ)水産物の販売ニーズや産地情報等の共有化
ロ)流通過程の各段階への個別指導
ハ)必要な加工機器等の導入
ニ)新商品開発や成果普及

・水産物輸出倍増環境整備対策事業 2億円
 HACCP認定を促進するため、以下を実施します。
イ)研修会の開催や専門家による現地指導への支援
ロ)海域等モニタリングへの支援
ハ)水産庁による対EU・HACCP認定体制の充実
ニ)トレーサビリティの導入に必要なマニュアル作成

● 捕鯨対策室の新設とサケ・マス流し網漁禁止緊急対策

 最後に、特記事項を二つ紹介します。一つ目は捕鯨対策で、農林水産省に「捕鯨対策室」が新設されます。H28当初も51億円(H27当初19億円)と拡充され、新しく捕鯨の基金が作られました。二つ目は、ロシアの200海里水域におけるサケ・マス流し網漁禁止に係る緊急対策です。H27補正で総額100億円が手当てされ、①わが国200海里水域や公海における、新たな魚種を漁獲対象とする代替漁業への転換支援、②地場水産業の振興に必要な種苗生産施設、サケ・マスふ化放流施設等の整備支援、③サケ・マス加工原料緊急対策等が盛り込まれることとなりました。

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