第1回
~新連載にあたり~
皆様、改めまして新年明けましておめでとうございます。
本年から、参議院で所属する委員会の内容、予算の重要分野、あるいは有権者の皆様の関心の高いテーマ等について、私見も交えつつ説明する『まいたち昇治の活動報告』を原則として週1回ペースで発信いたします。
今回は、平成25年の経済パフォーマンスを振り返りつつ、補正予算の役割・効果について、2回に分けて説明します。
● はじめに
1月7日、安倍晋三総裁は自民党役員会・役員連絡会・政府与党連絡会議において、
「引き続き経済最優先でやってまいりたい。通常国会は『好循環実現国会』として、補正予算、本予算の早期成立、執行ということでまいりたい」
と発言しました。
『好循環実現』とは、どのような経済状態になることでしょうか?それを実現するために、補正予算はどのような役割・効果があるのでしょうか?
● 「デフレ心理」が溶け始めた一年
政権復帰の昨年、安倍政権は「大胆な金融政策」、「機動的な財政政策」、「民間投資を喚起する成長戦略」の三本の矢を次々と放ち、「アベノミクス」を強力に推し進めてきました。
様々な経済指標が示すとおり、アベノミクスは大きな成果を挙げ、日本経済は確実に上向いています。例えば、
株価(日経平均株価)は、大納会を16,291円の年初来最高値で終えました。
対ドル為替相場は、1ドル=105.30円(平成25年12月30日)まで円安が進みました。
平成24年12月の総選挙後、主要エコノミストたちは、平成25年末の株価や為替相場をどのくらいの水準と予想していたでしょうか。
株価は、強気の予想でも1万3,000円程度、為替相場は、せいぜい1ドル=100円までの円高是正、だったのです。
また、企業経営者の景気に対する見方を示す日銀短観も、以下の12月発表のとおり、大幅に改善しています。
大企業・製造業の業況判断指数は、2007年12月以来の高水準。
中小企業でも景況感がマイナスからプラスへ大幅に改善。
非製造業では21年ぶりにプラス。
雇用人員判断の人手不足感は、全規模・全産業で6年ぶりの高水準。
アベノミクスのおかげで、20年近くにわたって私たちの心にこびりついていた「デフレ心理」は、ようやく溶け始めたといえるでしょう。
● 賃金上昇と雇用の拡大が『好循環』を生み出す
しかしデフレからの脱却は、いまだ道半ばです。
景気回復の実感が中小企業・小規模事業者の皆さんや地方にまで行き渡っていません。
というのは、地方の現場では、経済成長の成果が賃金上昇や雇用の拡大といった成果が、目に見えてわかりやすいかたちでまだまだ現れていないからです。
頑張る人たちの雇用を拡大し、収入を増やすと、
「それが消費を増やし、企業収益を拡大し、生産や投資を促す。それが雇用をさらに増やす」、これを景気の『好循環』といいます。
この好循環が回り出すと、息の長い経済成長が達成できます。ふたたび「強い日本経済」が実現するのです。
この好循環を今年一年かけて実現させたいところですが、難敵が控えていることもあり、慎重に対応していく必要があります。
(次回につづく)