長い長い学校生活がいよいよ終わる。

 

 

親は専門学校や大学に

行ってもいいと言った気がする。

 

 

でも私は、早く社会人になりたかったから、

”進学する”という考えが1mmも無かった。

 

 

 

それをおばあちゃんは、

『親孝行』だと私を褒めた。

 

そんなつもりは1mmも無かった。

 

 

 

早く学校生活から抜け出したかった。

 

 

集団、勉強、順位…

そんな毎日にうんざりしてた。

 

 

 

部活に入ってないと変だと言われ、

部活に入ってないなら委員会に誘われ、

 

どこかのグループに入っていても

入っていなくても

どっちにしても生き辛いから、

私はどこにも入らなかった。

 

 

だけど、通学の行きも帰りも

”何となく”同じ人と共にして、

休み時間も、昼食も、移動教室も、

全部、”何となく”。

 

一匹狼のくせに、

一人になりたくなくて、

中途半端に合わせてた。

 

 

 

だから私にはその頃の、

会話も思い出も何も残ってない。

 

 

 

「友達100人作れるかな」なんて笑っちゃう。

 

あのとき一緒にいた人の名前だって曖昧なのに。

私は、12年も費やした学校生活の中で、

大切だと思える友達一人だって作れなかった。

 

 

 

もしかしたら当時一緒にいた人は

「そんなことない」って言うかもしれない。

 

「私は友達だと思ってたよ」

って言ってくれるかもしれない。

 

 

だけど、ごめんね。

 

 

私が”何となく”で一緒にいなければ、

もっと正直に接していたら、

きっと友達になれていただろうし、

思い出もたくさんあったはずなのに。

 

 

 

 

そんなわけで、

あの頃の私は一刻も早く

学生から抜け出したかった。

 

 

とてつもなく社会人に憧れてた。

 

 

責任があることが

とても格好良く見えた。

 

仕事帰りにお酒を飲んで、

そこで仕事について語り合う大人たちが

私は最高に格好良く見えた。

 

 

私が「つまらない」って思いながら

なんとなく過ごしていた時間が、

仕事という情熱的な時間になるんだ。

 

 

 

 

社会人になる。

仕事をする。

 

それは私の夢だった。

 

 

そのために高校は商業科に入ったし、

高校卒業をして、

4月から新入社員になった。

 

 

どんなことをするんだろう。

どんな生活が始まるんだろう。

 

期待と緊張が混ざって、

とてもワクワクしてた。

 

 

周りは大卒の中、私は当時18歳。

 

一番若かったし、

一番何にも知らなかった。

 

 

 

入社してすぐ待ってたことは、

10日間の合同合宿だった。

 

 

グループに分かれて、

朝から晩まであいさつ練習。

 

「いらっしゃいませ、こんにちは」

 

教育担当のOKが出るまで、

連帯責任で立たされ続けた。

 

 

 

合宿が終わり、

いよいよ配属先での出勤。

 

こっちはこっちでパートのおばさんが牛耳ってた。

 

合宿であんなに厳しかった社員たちが、

目の前でヘラヘラ、ヘコヘコしてた。

 

ダッセェって思えたら良かったのに。

その時はただただショックだった。

 

 

 

何か一つでもマニュアルと違うことをすれば、

呼び出され、理由を問われた。

不定期に覆面調査が行われ、

ミスがあれば始末書を書かされた。

半年に1回のテスト。

そして年に一回の地獄の合宿。

 

 

 

まさにこれ。

 

 

 

 

「こんなのおかしいよね」って言っても、

ついこの間まで高校生だった私の話を

聞いてくれる人は周りにいなかった。

 

 

「あなたはまだ新入社員だから」

「お金を稼ぐっていうのは、

そんなに簡単なことじゃない」

「その歳で良い会社に入れたんだから、

もう少し我慢しなさい」

 

そう言われ、

社会がどういうものなのか、

お父さんに長々と説明された。

 

 

私には、あなただって

かっこよく見えてたのよと、

今思い出す。

 

 

 

お父さんは、

昔はよく家に後輩を呼んで、

その日はお母さんがたくさんご馳走作って、

私たち兄妹はよく遊んでもらってた。

 

たまに仕事の話をしてくれた。

 

お父さんは空港で働いていたから、

今日はこんな芸能人が通ったとか

海外からこんな荷物が届いたとか

話しを聞かせてもらってた。

 

 

でも私知らなかったの。

その頃はまだ小さかったから。

 

突然この事を思い出したから、

あの人どうしてるかって聞いたら

もう10年も前に亡くなってるんだって。 

 

自殺で。

 

 

 

私が思ってた社会人って、

そうじゃなかった。

 

働くって、

こうじゃなかった。

 

 

もっと世界が広がるのだと思ってた。

 

OLもサラリーマンも、

職人も接客業も、

全ての仕事に夢があった。

 

 

『現実とはこういうもの』

だと言うのなら、

その人たちが言う”現実の世界”に

私はいたくなかった。

 

 

 

高卒で入社した会社は

半年で無理やり辞めた。

 

 

 

それからは、

”ちゃんとしてる人”と話したくなかった。

 

私がおかしい人みたいだったから。

 

 

だから私は、

家に帰らなくなった。

両親にも社会人をしている人にも

会いたくなくて、夜に働きに出た。

 

 

その世界は大変だったけど、

学校生活や短い社会人生活より

ずっと気楽だった。

 

 

私と同じ、

”出来ない”人の集まりだったから。

お客さんたちもその時間は、

社会人の仮面を取り、

ただのその人だった。

(それがまたバラエティ豊かに

変態だらけだった。)

 

 

毎晩笑って騒いで、

朝方までくだらない話をして

泣いたり笑ったり怒ったりと

バカみたいに楽しかったけど、

 

夜が明けると

ガラリと世界は変わる。
 

 

たまに遊び過ぎて

帰りが朝になったときは最悪だった。

 

 

同じ電車の中。

憧れてた世界が目の前にある。

 

だけど私は家に帰ってて、

憧れの世界で生きる人たちは

これから職場へ向かってる。

 

 

そんな光景をぼーっと眺めていると、

私だけが逆方向に進んでいるような気持ちになって、

自分がどこにいるのか分からなくなった。

 

 

憧れていた世界が

思ってたのと違ったことにも、

そっちで上手く生きれなかった自分にも

私は傷付いていたんだ。

 

 

 

 

そんなことを思い出していました。

 

 

何も知らないが故に純粋だった私の夢は、

その頃出会った大人や社会を見て、崩壊した。

 

今でもたまにこの感覚がある。

 

 

同じ電車の中。

憧れてた世界が目の前にある。

 

だけど私は家に帰ってて、

憧れの世界で生きる人たちは

これから職場へ向かってる。

 

そんな光景をぼーっと眺めていると、

私だけが逆方向に進んでいるような気持ちになって、

自分がどこにいるのか分からなくなった。

 

 

あの頃とはシチュエーションは違うけど、

多くの人の波を眺めて、

多くの人の口癖を聞き流しては、

 

悲しいとも虚しいとも、

なんとも言えない気持ちが

濁流のように押し寄せては、

その度に数日具合悪くなる。

  

 

その理由は、

18歳の私が未だに納得出来ないまま、

働くことや社会人に

夢を見続けているからなのだと思った。

 

 

がっかりした働き方を見た。

ダサいと思った社会人がいた。

 

無意識に、

そうはなるまいと抵抗して、

勘違いだったかもしれないと

影からそっと伺っては落胆する。

 

 

そういうことをあれからずっと

繰り返していたのだと気付きました。

 

 

そんな私は今年、32歳になる。

 

 

社会や大人への反抗は時間とともに

少しずつ学びに変わり、

私なりのやり方で仕事をしている。

 

 

18歳の私から見た今の私。

 

いいじゃん❗️

 

って思った。

 

 

 

そうだ、いいんだ。

 

 

私が憧れた働き方、

私が格好良いと思ってた社会人。

 

 

仕事は、情熱的な時間だと思ってた!

責任があるって格好いいと思ってた!

お酒飲みながら熱く語る人たちに憧れた!

 

私もそうなるんだって、思った。

 

だから、今から、

もっともっとそうなればいい。

 



 

みんなはどう?

 

 

今の生き方、働き方は、

“将来に憧れていた”自分の目にどう映る?

 

 

あなたが自分をどう納得させようが、

どう人生に折り合いつけようが、

それはあなたの自由だよ。

 

だけどそんなあなたを見て、

ガッカリしている人がいるかもしれない。

子供達の夢を壊しているかもしれない。

 

 

そしてそれは、

昔のあなた自身でもあったはず。

 

 

私たちがまだ幼くて何も知らなかった頃、

大人ってどんな風に見えてたっけ。

仕事をするって想像したら

どんな気持ちになったっけ。

 


 

過去の私の純粋な夢を、

大人になった私まで踏みにじりたくない。

 

私はそう思ったよ。

 


 

傷付いた自分を放って置かないで。

無理やり納得させて、

自分に折り合い付けないで。

 

夢は何度崩壊しても消えずにある。

人生はいつでも望む方へ変えていける。

 

 

 

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