前回上海旅行について書きましたが、メンテナンス技術の向上している様子に驚きました。今回は私の長年のテーマでもある「掃除」と「メンテナンス」の違いについて書いていきましょう。
先進国ではどこでも当たり前に様に行われている科学的清掃方法「メンテナンス」を従来は歴史的に説明してきました。このブログでも何回か書ています。今から50年近く前に米国でこの業界で、MBAを雇って競争に勝とうとして出現した科学的清掃方法「メンテナンス」が世界に広まったというストーリーです。
今では水泳に例えて話をする事が多くなっています。「掃除は水泳に似ている」と思います。今、プールや海水浴場へ行けば、殆どの人が泳げます。カナヅチの人を見つける方が難しいでしょう。皆さん自由に、様々な泳ぎ方をしています。しかしながら、その中で本当に上手い泳ぎ方をしている人は殆どいません。しかし、もしあなたが水泳の選手になろうとしたら、正しい泳ぎ方を学ぶ必要があります。そうしなければ、試合に勝てないでしょう。お掃除も殆どの人が出来ます。普段は自分のペースで、好きなようにやればよいのです。しかし、職業として掃除をするならば、正しく合理的な方法で行うべきです。素人と大きな差が有るからこそ、職業として成り立つのです。
「掃除」は目で見て判断します。目に見える汚れを取ればよいのです。取る方法も取り方も各人がそれぞれ行う事が前提です。一方メンテナンスは掃除を合理化する事に全力を尽くします。扱うべき素地の性質を掴み、主に狙うべき汚れを絞り込みます。そして、素材と絞り込んだ汚れの性質を勘案した除去方法を知り、それを実践するのです。
素材を知る→汚れのターゲティング→正しいメンテナンス方法
を知り、実践する
こうした手順で行います。
掃除は目で見て判断するため、「隠れ汚れ」に弱いのです。臭いや堆積する汚れ等で問題を起こしたり、カーペットメンテナンスでのケモノミチやワックス管理での頻繁な剥離作業の必要性なども隠れ汚れに対する対処方法が目で見る事では出来ないからです。
正しい方法は自分で編み出すのは相当な苦労が必要になります。簡易な方法は正しい方法を知っている人から学ぶ事です。資料でも、動画でも、講習会でも良いのです。技術は正しい方法とそれに費やす時間数で決まります。正しいやり方で丹念に続ける事が大切なのです。


