科学的掃除「メンテナンス」はアメリカで発生 | お掃除とメンテナンスのプロ 矢部要のブログ

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「仕事でお掃除をする方の作業を楽にする事」が使命(ミッション)だと考えています。

 一般の『お掃除』から世界のプロが実践する『メンテナンス』の紹介をしています。

前回技術は右肩上がりではないと書きました。今、世界的に標準になっている(先進国の話です)科学的清掃「メンテナンス」は米国で40年以上前に発生しました。元々米国はフレデリック=テイラーを始祖とする科学的作業方法の追求が盛んな土壌があります。テイラーの直ぐ後を追いかけ、世界的に有名になったのはフォードでしょう。オートメーションシステムを開発し、自動車を庶民が買えるほどにコストダウンしたのです。
この業界(Floor Cleaning)でも半世紀近く前に、大手の会社が優秀なMBA(経済学修士)を雇い、作業効率化で覇権を取ろうとする競争があったのです。ここで、それまでとは全く違った科学的清掃方法が次々と開発されました。その方法が先ず米国内で広がり、それが世界へと広まっていったのです。私が最初に米国に行ったのは正にその創成期と言うべき時で、業界の人々が「今、この業界はものすごくホットなんだ!」とその変貌ぶりを熱心に説明してくれました。
やがて、この清掃方法は従来のただの掃除(Cleaning)とは違うという事でメンテナンス(Maintenance)と呼ばれるようになったのです。概ね、従来の地域の「掃除」の作業時間を3分の1程度削減しましたので、その効果の大きさから、世界に広まりました。その動きが残念な事に我が日本には訪れなかったのです。
その考え方ですが、競争に勝つためには、コストを下げ、クォリティを上げる必要があります。その中のコストですが、メンテナンスは人件費とその関連費が80~90%です。ここに集中して考えます。従って、米国の人と話していると、コストに関しては作業時間や作業効率に集中して議論します。洗剤等の資機材は数パーセントですので、そこコストを問題にする事など殆どしないのです。


 

コストを下げるという言い方ですが、どうやら日本ではあまり良い響きには聞こえないようです。給料が下がったり、人員削減にイメージとして結び付きやすい所為でしょう。人手不足に悩み、最低賃金の上昇が経営の大きな問題点になっている我が国では、作業効率をあげて、生産性を高めると考えるべきです。
作業時間 100→67%(2/3) ではなく、100の効率を150(1.5倍)に上げる


メンテナンスの種類は様々です。トイレ・カーペット・ワックス管理・・・等それぞれ全く異なった作業になります。しかし、考え方は全く一緒です。
1.  素材の特性を知る
2.  汚れを絞り込む
3.  正しいメンテナンス方法を知り、実践する
この順に考えていきます。しかし、実際には様々な会社で既に定番となっている作業方法がありますので、1と2の理屈を覚えたら、定番の作業方法(長い時間と様々な経験からかなり合理的に出来上がった方法)を仕入れ、それを実践した方が失敗がありません。その上で、工夫出来ればすればよいのです。
ともされ、その為には


物理的力+化学的力
 

の融合が必要なのですが、化学的力(洗剤の力)の活用は必須です。先ず、ここがクリアされなければ、技術は上がりません。日本では残念な事に、先ず「洗剤を使うべきかどうかと」いう事が議論になる事があるのですが、世界の常識からすると、洗剤を使いこなせるからこそプロに頼むのです。ここが議論になる事は決してありません。
その為、弊社では殆どの講習会の最初に洗剤使用の為の基礎的な知識習得の講習会を実施しています。先ず、技術を上げようとするならば、米国に学ぶ前に洗剤を必ず使いこなす決意が必要になります。
以下に弊社の10分動画を付けておきます。基礎的な部分の習得にはお役に立つと思います。説明の小冊子(無料)がご希望の方は弊社HPからお申し込みください。PDFをお送りします。