洗剤の特徴を生かせ②「NABC(ナバック)」 | お掃除とメンテナンスのプロ 矢部要のブログ

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 一般の『お掃除』から世界のプロが実践する『メンテナンス』の紹介をしています。

少しこのシリーズを続けましょう。今回はトイレ用中性洗剤NABC(ナバック)です。この洗剤はスパルタンケミカル社のトップセールス商品です。スパルタンは米国第二位の業務用ケミカルメーカーで、トップのメーカーのトップセールス商品はトイレ用ではありませんので(多分床ワックスです)、推定ですが、米国業務用トイレ洗剤としては一番売れている商品と言っていいでしょう。

この洗剤は非常にユニークな洗剤で、大きな特徴を4つ持っています。

1.院内感染防止レベルの除菌剤配合で衛生的

2.陶器・金属がピカピカになる

3.ノンリンス

4.消臭剤配合

です。

1から説明していきましょう。NABC(ナバック)は米国EPA登録商品で除菌効果についてはEPA(米国環境保護局)の保証付きの洗剤です。院内感染防止レベルの商品ですので、衛生性が向上します。新型コロナウィルスにも有効です。インフルエンザにも有効です。病院清掃で言えば厄介なMRSAにも有効なのです。トイレルームの衛生性は非常に重要ですので、清掃する度に、除菌効果を持ってくれるのは大変有効と言えるでしょう。

2のピカピカですが、この洗剤はpH値が6.5で、少し酸に傾いた中性になっています。ファインミスト(細かな汚れ)の除去がメンテナンス上非常に重要だと何回もこのブログでも述べていますが、陶器や金属に付いた細かな汚れ(ファインミスト)の除去を簡単に・効率的に行います。陶器に付く石鹸や小便の撥ねはアルカリになりますので、この酸に傾いた性質が非常に効果を発揮するのです。錆びも酸で取れますので、細かな錆びも取り去りますので、金属も本来の光沢に戻るのです。酸に傾いた中性でも、通常の汚れに対しても、よく効いてくれますので(中性の領域の汚れに対してですが)、トイレルーム全体の美観が向上するのです。

3ノンリンス(水拭き不要)です。但し、ベビーシートや便座の表部は微妙な肌が触れますので、水拭きしましょう。この手の除菌剤は乾くと安全という事ですので、濡れているときは触れないようにしましょう。ノンリンスの洗剤は日常的な作業には最適な商品です。簡単に、綺麗になるからです。

4消臭剤が配合されていますので、何かの悪臭があった場合は吹きかければ、悪臭を排除します。但し、通常の清掃業務では、細かな霧にして使用してはいけません。除菌剤配合ですので、喉や目に刺激を起こすことがあるのです。通常使用では、水鉄砲の様にスプレーし、塗り広げる様に作業をしていきます。上記の様な、悪臭除去で使用する場合は下に向けてスプレーするか、目や喉に入らないよう気を付けることが必要です。

 

その他、非常に良い香りがします。掃除仕立ての時は少し刺激があるかもしれませんが、5分もすると非常に良いにおいに変わります。清潔感を感じさせるでしょう。

 

このNABC(ナバック)は安く使おうと思った場合には濃縮タイプのCOG・NABC(シーオージー・ナバック)があります。自動希釈を付ける必要がありますが、この為のイニシャルコストは大した事がありませんし、これで使用すれば、リットル当たりでも50円位になってしまうでしょう。

この洗剤は非常に使いやすく、効果が高いのですが、使い方をしっかり覚えて特徴を出すようにしなければ、勿体ないと思います。薄めて使用する事も出来ますが、私は原液で使用しています。美観が非常に上がるからです。メンテナンスでは作業時間が最も重要で、人件費の比率が90%です。作業した際に最大限の効果を出すことが重要だといつも思っています。NABCをしっかり付けて、乾いたタオルで拭いてみましょう。陶器や金属がピカピカになるので、驚かれるでしょう。乾いたマイクロクロスを使えば、更に効果が上がります。トイレルームが簡単に・ピカピカになり、爽やかな香りが充満すれば、作業効果としては非常に大きいものになります。

こうした特徴をよく理解し、それを出すべく実践するのと、理解せずに使用してしまうのとでは大きな差が出てしまいます。

プロ用の洗剤は作業効果が大きく、特徴のある(差別化の為)ものが多くなっています。それを理解し、使う事が大きな成果を生むのです。

来月の東京での講習会は「深堀したトイレメンテナンス」で、先週末にご案内したところ、もう既に満杯に近い状態になっています。

今回のテーマはこうした、各種の洗剤の特徴とその出し方をお話するつもりです。