「便器に手を入れずに清掃しましょう!」と言うのが、弊社のトイレメンテナンスの基本になっています。最初にこれを提唱したのが、今から15年以上も前の事でしたが、上手く理解いただくもが多かったのですが、一方で非常に強い抵抗があったケースもありました。
ある地方の資材店の営業担当者の方から、弊社の講習会に出て、「大変不快な思いをした」との抗議をお客様から受けたと連絡があり、慌てて営業が出張に出て、経緯説明をした事もありました。私の主張としては、従来のやり方を批判したり、けなしたりする意図は全く無かったのですが、大勢を相手の講習会となると、標準的な所に的を当てて話をすることになりますので、どうしてもこうした事が起こり易かったのです。
トイレメンテナンスで重要な事は、便器内に付く尿石と水垢は通常の洗剤では取れないという事を理解する事なのです。通常の洗剤は殆どがアルカリサイドに傾いていますが、この二つの汚れはカルシウム(アルカリ性)が大きく関係していますので、酸が必要になります。弊社が「トイレは洗剤の方向が逆」と主張しているのはそういう意味なのです。
勿論汚れ落としは
物理的力+化学的力
になりますので、洗剤が効かなかったり、効果が薄くても、物理的力(ゴシゴシ擦る事)を多くしてやれば、即ち時間を掛けて擦ってやれば、綺麗にすることは可能なのです。しかし、それではプロの仕事とは言えません。プロであれば、科学的・合理的手法を身に着けていなければ、プロとしての評価を受けることは不可能です。
残念ながら、我が日本は洗剤を使用する事が、欧米に比べて圧倒的に少ないのが実情です(このブログにも何度も書いていますが、欧米の2.5分の1というデータもある程です)。トイレ清掃で言えば、先ず、洗剤の力をしっかり借りて、作業を効率化する事を念頭にする事が、スタートになるのです。