カーペットメンテナンスの日常清掃について書いてきました。今回はその後の(「それ以外の」と言った方が良いかもしれません)清掃についてです。日本では日常清掃の次は定期清掃(カーペットシャンプー)と言った考え方をしますが、カーペットとの付き合いが長い欧米では、日常清掃、中間清掃、定期清掃と言った考え方をします。カーペットは繊維ですので、洗い過ぎは避けたいですし、洗わなければ綺麗にはなりません。カーペットの取りたい汚れは先ず、パイルに着いた汚れ取りが必要になります。繊維ですので、汚れる事で繊維が硬くなり、折れやすくなりますので、パイルが痛んでしまうのです。こうした場合は、基布ではなく、あくまでもパイル上(糸上)に着いた汚れですので、そこの部分がきれいになれば良い訳です。こうした際に適しているのが、中間清掃で、ボネットパッドを使ったボネットクリーニングやエクストラクションを手早く扱う(早く引くと言う事です)ライトエクストラクションです。
ボネットクリーニングは我が日本ではあまり普及していませんが、簡単で、便利な方法です。ボネットパッドが初めて日本で紹介された時代は洗剤があまりよくありませんでしたので(或いは使い方が問題だったのかもしれません)、人気が出ませんでしたが、今の洗剤は非常に良く出来ていますので、大変有効な方法です。
施工前には必ず、バキュームを良く掛けます。カーペットの中間清掃やシャンプーの際には、最初のバキューム掛けは必須です。土砂があるままで、洗剤を使用したら、洗剤と土砂が一緒になって酷い目にあってしまいます。先ず、バキュームをシッカリかけると覚えましょう。その際には、アップライトバキュームが良いのです。土砂をブラシで叩きだしながら、バキュームしてくれるからです。
先ず、プリスプレーをします。洗浄箇所に洗剤をスプレーして撒いておくのです。作業毎にエリアを区切りながら、プリスプレー、ボネットクリーニングと言う手順を繰り返していきます。こまめに区切りながら作業を進めていきます。ボネットパッドは裏表で50㎡位が基準です。
ボネットを洗剤に漬け、リンガーで絞って行う方法と、ボネットに洗剤をしっかりスプレーして行う方法があります。洗剤に漬けて絞る方法の方がきれいになりますが、乾燥の状況にもよりますが、歩行には30分~1時間必要です。スプレーする方法は(これも状況に寄りますが)直ぐに歩行が可能です。ホテルなど、人通りの絶えない場所では非常に便利な方法です。
ライトエクストラクションはエクストラクターを手早く引いて作業をする方法です。この方が、機械を持っていれば簡単でしょう。専用の洗剤が必要です。エクストラクション用の洗剤は泡が立ち難く設計されています。泡立ちが良いとエクストラクションが直ぐにオーバーフローしてしまうからです。スクラビングと言うポリッシャーで擦る場合の洗剤は泡立ちが良く設計されていますので、用途を間違えると大変なことになってしまうので、ここは注意が必要です。洗剤の使い方が全く違うからです。
バキュームを事前にシッカリ掛け、ライトエクストラクションを実施します。これには一体型の機械の方が便利です。洗剤を入れ、機械を引いて行けばよいのですから。
こうした中間清掃は安価で簡易です。人通りが多く汚れやすい場所に最適です。そして、汚れが堆積してきたら、次の段階のカーペットシャンプーが必要になる訳です。こうしたものを実施する事で大掛かりな定期清掃(カーペットシャンプー)の時期や実施回数を削減できますので、効率が上がるのです。生産性向上には一つ一つクリアーすべきなのです。
カーペットメンテナンスは多分にプロ的な技量が必要になります。手慣れている人の指導を受けるか、メーカーに良く教えてもらいながら覚えましょう。