洗剤の必要性?
洗剤の必要性をどう訴えるかを考えています。科学的お掃除「メンテナンス」をする上で、洗剤を上手く使う事は必須事項になります。世界的には議論の余地のない問題なのですが、我が日本では水神話がある為、ここの必要性から、得心してもらう必要があるからです。ビルメンテナンス協会がユーザーに行ったアンケートで、最も多かった批判は
「専門的な知識と技術の不足」(42.3%)
で半分近くの方にプロらしくないと思われていると言う結果なのですが、その大きな原因は洗剤の使い方にあると思っています。
そもそも汚れを落とすには
物理的力(ゴシゴシ擦る)と化学的力(洗剤の力)
のバランスが重要で、後者が安定しないと、前者を大きくする(時間が掛かる)以外方法がありません。それでは生産性は上がらないのです。また、プロ用の洗剤は家庭用よりも、強いものがあり、それを上手く使いこなせるからこそ、プロなのです。
以下の事項から説明を始めようと思っています(新しい洗剤の講習用です)。
1. 私達は手を洗う際に、石鹸が必要だと分かっています(特に新型コロナウィルスのパンデミック以来顕著です)。
2. 子供に手洗いをさせる際に、石鹸の必要性を強調します。
3. お風呂に入る際に、石鹸やシャンプーが無ければ、綺麗になった感じがしません。
それなのに何故、私達が扱う施設には石鹸や洗剤を使用しないのでしょう?
自分の体(子供の体も)には石鹸(シャンプー)が必要な事が分かっているのは、はっきりと肌で感じているからでしょう。体験があるのです。外から(他人から)は分からないのですが、本人は折角お風呂に入りながら、綺麗になっていない事を肌や髪で感じ取っているのです。
実はこうした体験(というか体感)は非常に重要です。例を床管理にとりましょう。床の細かな土砂の除去は床メンテナンスの際の非常に重要な事項になり、マット管理の重要性を強調したり、ダストモップ掛けをしたりなどします。そのダストモップの講習をする際に私が良くやるのは、先ず床を講習生に触らせるのです。そうすると、目では見えませんが手の平は敏感で、床にある細かな汚れを感じます。その後、ダストモップを講習生の目の前で掛け、直ぐに床を触らせるのです。そうすると、床に目で見えない細かな汚れがビックリするほど綺麗に取れている事を手の平が教えてくれるのです。その原体験が非常に大切で、細かな土砂の除去の重要性が直ぐに理解できるのです。「なるほど、この細かな汚れが目には見えないけど、床には沢山あって、それが床を傷めるのだ!」という訳です。
この教え方は床管理の第一歩なのですが、洗剤使用に際しても、これと同じ様な、ビックリするような驚きと、納得感が欲しいと思ってあれこれ工夫をしています。床汚れの80%は親水性ですので、水拭きで取れますが、20%は疎水性ですので、取り残します。毎日の作業ですから、それが漸次堆積する事になり、それが大きな問題を起こすと言うのが我が日本の現状なのです。生産性を上げるためには先ずここを打破する必要があり、その為の工夫に頭を捻っているのです。