洗剤の基礎知識 WEB講習会 洗剤を使いましょうⅠ「日本は綺麗」 | お掃除とメンテナンスのプロ 矢部要のブログ

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「仕事でお掃除をする方の作業を楽にする事」が使命(ミッション)だと考えています。

 一般の『お掃除』から世界のプロが実践する『メンテナンス』の紹介をしています。

洗剤の基礎知識 WEB講習会

 

 先日2回に亘って行ったWEB講習会は好評でした。そこで、このブログで、講習内容を掲載していきます。ご参考になれば幸甚です。

先ず、科学的掃除「メンテナンス」に不可欠の洗剤の使い方についてです。 結構な連載になるかもしれません。

洗剤を使いましょうⅠ「日本は綺麗」

 私は仕事柄海外に出る事も多い(最近は少なくなりましたが)のですが、帰国するたびに、つくづく「日本は綺麗な国」だと実感します。国民皆がお掃除が上手ですし、自宅の前を清掃する人がこれ程多い国はなかなかないのではないでしょうか。様々な仕事や修行の最初のスタートが「掃除」から始まると言う習慣を持っています。基本的なレベルが高いと思います。

 一方世界はと言うと、職業としての清掃が発展しています。このブログで前回書きましたが、技術には漸進的に発展するものと、突然変異として現れ、世界を席巻するものがあると書きました。水泳と走り高跳びを挙げました。勿論他にも沢山あります。職業としての清掃の分野でも突然変異した革新的な技術があり、それが「メンテナンス」です。今から半世紀近く前、米国でこの業界の覇者を目指した大手会社がMBA(経営学修士)を雇い、事業効率を図り、それを他の大手もMBAを雇って対抗すると言う強烈な競争があり、この分野の作業を一気に科学的・合理的なものに押し上げたのです。彼らは自分たちの始めたこの方法を従来の「お掃除(Cleaning)」とは違う科学的な「メンテナンス(Maintenance)」と名付け、それが世界に広まりました。

 我が日本はガラパゴス化する事が携帯を始めよくあるのですが、私達の業界もまさにそれに当たります。元々お掃除が上手い事もあって、言い方は悪いのですが、アマチュアとの差が付き難い(注:)とか、水拭きが主流の所為で、微生物に対する対処が苦手だったり、細かな汚れ除去が出来ずに高級感を出せなかったり、また作業時間が掛ってしまったり・・・と言った不都合が起こるケースがあるのです。ましてやこれからは作業効率化が最重要ポイントになりますが、そうした事に対処し難かったりします。

 こうした問題を解決するには、(世界的な意味でも)プロ化するには科学的な清掃「メンテナンス」の技術の習得と向上が不可欠です。

汚れを落とすには

「物理的力」→ゴシゴシ擦る事→発展させると機械化

「化学的力」→洗剤の力で汚れを落とす事

の二つをバランスよく使う必要があります。海外(特に米国)では新人には洗剤の基礎教育をしっかりやりますが、それは物理的力は見様見真似が効きますが、化学的力の洗剤は種類も多く、見様見真似が効きにくいので、基礎的な事を覚えた方が効率が良いためです。

その為の講習がこの講習になります

 

注:これに付いては、かつて言及しました。ビルメンテナンス協会が実施した顧客(800名)からのアンケート調査で、「専門分野の知識と技術の不足」が一番(42.3%)に指摘されています。

 説明を付け加えておきますが、これは作業をされる方に問題がある訳ではなく、単に世界の技術情報が入って来ていない為に起こっている現象です。