石鹸・洗剤で洗え!!
今、「新しい日常」での感染防止清掃の小冊子を書いていますが。その中で、手洗いと清掃に重要な石鹸と洗剤の優位性の部分を書き足そうと思っていますので、それを書いていきましょう。
手洗いが重要な事は言を俟(ま)ちませんが、その際に非常に重要なのが石鹸をしっかり付けて洗うと言う事です。米国での病院清掃の際の教育や、おそらく日本でも大手の病院の職員に対してはされているのではないかと思われますが、手に蛍光塗料を付け、「手を洗って下さい」と言って洗わせ、その後ブラックライトを照らし、汚れが付いている様子を自覚させるという方法があります。手にシッカリと石鹸を付け、十分に擦る事の重要性を認識させるための教育です。汚れを取るには石鹸(洗剤)が必須です。手を洗う際には石鹸をシッカリ付けましょう。
病院清掃の講習会をする際に、最初の方でする講習ですが、簡単なテスト問題を出します。
問. 同じように汚れたまな板を4つの洗い方で洗いました。
A.水洗い B.中性洗剤 C.次亜塩素酸ナトリウム D.中性洗剤で洗浄後次亜塩素酸ナトリウムで消毒
その後の微生物の数を数えました。結果は
1.1200万 2.7万 3.600 4.50
どの洗い方がどの結果かを答えなさい
さて、答えですが殆どの方の答えは
A-1 B-2 C-3 D-4
の様になりますが、正しくは
A-1 B-3 C―2 D-4
なのです。
次亜塩素酸ナトリウムは強力な消毒剤ですが、洗浄力がありません。汚れに潜んだ微生物やまな板の凹凸内の微生物には効果が薄いのです。一方洗剤は汚れと同様に微生物を洗い流してしまいますので(殺しもします)衛生性が向上するのです。水洗いが効果がない事は言うまでもありません。
弊社社員がSNSでこれに言及した際に、どこのデータかはっきりしない限り信用性がないと指摘を受け、悩んでいました。元々このデータは他社の物で、しかも相当に古いので(恐らく20年近く前)出自は既にハッキリしないのです。しかし、この事実は世界のメンテナンスパーソンであれば体感として知っています。世界のメンテナンス教育では水に油を浮かべ、次亜塩素酸ナトリウムを投入し、混ぜようとしても、一向に混ざらない事、洗剤を投入すると油と水が混ざり(乳化します)、汚れが落ちる様が簡単に想像出来るといったことをするのです。
水では汚れが落ちない事、次亜塩素酸ナトリウムは洗浄力がないため、汚れを落とさず使用するとさほど効果を上げられない可能性がある事、汚れを落とすには洗剤拭きが重要である事、その上で消毒できればさらに良い事・・・
この事実を病院清掃をする際にははっきりと認識する必要があります。
新しい日常を過ごすにあたって、病院以外でも、正しい感染防止の清掃方法を覚え、実施する事は大変意義があります。
先ず、石鹸と洗剤の重要性の認識がスタートラインです。