講習会にて「次亜ではなく感染防止洗剤」を使用せよ!
昨日は科学的清掃「メンテナンス」の指導者「メンター」養成の講習会を東京のビルメンテナンス会館で行いました。丸一日の講習会で、出席者の方には心より「お疲れさまでした」と申し上げたいと思います。
洗剤の基礎から、水拭きではなく洗剤拭きの必要性、そして洗剤を自在にこなすためには自動希釈器が必須なことなどをお話ししました。
午後は実務を伴ったトイレメンテナンス、カーペットメンテナンス、ワックスメンテナンスで、時間を少し詰め、コロナウィルス対応の感染防止清掃についても講習しました。講習は動画も多く含めたのですが、好評でしたので、ホッとしました。
科学的清掃方法を取り入れる方が一人でも多くなる事を切に願っています。メンテナンス業界の地位向上にもなりますし、大きく言えば、日本のサービス業の生産性向上にも貢献するはずです。
感染防止清掃の講習後、ある方から、日本では厚生省が次亜塩素酸を推奨し、感染防止洗剤を使い難い雰囲気がある旨の話を受けました。
世界的には次亜塩素酸を環境防止清掃に恒常的に使う事はされないのです。
特殊な例を除いては、様々な問題点がある為です。
先ず、強すぎるのです。
二つ目に、希釈して使う場合、水による分解が早いため、有効かどうかの確認が難しいのです。清掃作業は概ね広範囲になる為、希釈液が数時間放置されることも珍しくありませんのでそのことも考慮に入れる必要があります。従って、対象微生物の完全不活性化のエビデンスがないのです(環境消毒に対してという意味ですが)。
その為、世界的にはコロナウィルスに対する有効性(今度の新種についてはまだなのは仕方ないのです)を持った環境防止洗剤を使用すべきと言う事が世界の定評です。
環境防止洗剤(Disinfectant Cleaner) は環境上で使用できるよう、最初から設計されていますので、恒常的に使えるのです。刺激も多くありませんし、エビデンスもあります。
我が日本では残念ながら、感染防止洗剤の使用が医療機関だけです(医療機関でも十分とは言えないのが残念ですが)。本来は学校などでも、実施されるべきですし、幼児施設や老人ホームなどでも、必須なのです。
「正しく希釈し、正しく拭き取る」だけでよいのです。環境防止洗剤の使用がもっと活発になる事を願ってやみません。少しの勉強で、出来るようになるのです。東京オリンピックに向けて、通常施設でも必要になる可能性があるのではないかと思っています。感染防止に関しては、日本独自はいけません。世界標準にすべきです。