生産性向上の障害?自前主義①
生産性向上は喫緊の課題といつも提唱していますが、その妨げになっているものを考える機会が多くなって言います。今回は自前主義についてです。
先日、米国の会社の人の来訪を受けましたが、その中で、経理の問題が出ました。電子決済についてです。米国ではある程度の会社では電子決済が一般化しているようで、非常に便利だと言われました。お客様からの注文を受け、自社の社内記帳から、配送伝票まで、最初のお客の入力で済むようになっているのです。
我が日本では、お客様が発注する際に、発注伝票を書き、それを弊社にFAXし、それを弊社は自社のフォームで記載します。それを倉庫会社にメールし、倉庫会社はおそらく自社フォームに記載し、今度は配送会社へメールします。配送会社も同じように、自社フォームに記載し・・・・と続ける訳です。
そのたびに、人力での入力が必要になるわけで、トータルでの消費時間は相当なものになるでしょう。しかし、米国では、電子情報の正確性と安全性を相当高いレベルに置くことで、中間での人力による入力を省いており、そこではチェック機能に集中しているのです。時間数にすると理屈からは四分の一の省力化になっています。
勿論サプライチェーン間の信用度を上げる等の基礎的な問題をクリアする事は必須でしょうが、一つの流通を取っただけでも、相当な生産性向上が見込まれます。契約時に電子決済が可能かどうかがそのチェーンに加われるかどうかの大きな判断材料になるので、電子決済もどんどん進み、ますます生産性が向上する事になるでしょう。
我が日本では、自前主義が基本で、全てを自社で完結しようという気風が強いため、なかなか会計情報になるものを他社による記載で済ませる事に抵抗があるのであないかと懸念します。また、ミスに対する寛容性も必要になろうかと思います。他社の多少のミスに対して寛容になり、その為に自社の効率化が如何に進むかと言う冷静な判断が必要なのでしょう。一社ですべてを完結するよりも、ある程度を他社に依存する事は生産性向上には欠かせません。メンテナンスもまさにこれと同じで、自分の得意なところと、他社を大いに利用する事で生産性は大きく向上します。次回はそれについて述べましょう。
但し、明日から出張に出ますので、続きはちょっと先かもしれません。