大変素晴らしい本「国運の分岐点」/生産性向上は必須!!! | お掃除とメンテナンスのプロ 矢部要のブログ

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大変素晴らしい本「国運の分岐点」/生産性向上は必須!!!

デービット・アトキンソンは好きで、殆どの書籍は読んでいます。今回も新聞に予告が出ていたので直ぐに購入しました(フライイングで書店に行った時は発売前で、買えず、アマゾンで購入しました)。

素晴らしい本でした。経済書やマーケティングの本は好きで良く買うのですが(著者が偏りがちですが・・)、近年では私の中ではベストの本です。最後の忠告の部分は賛否があるでしょうが(中国の属国への話)、前段の部分での中小企業の数の多さが、日本経済停滞の主要因になっているとの部分は十二分に迫力と説得力があります。若い連中に直ぐに読むように薦めました。会社の規模が生産性に大きく関与しているデータは説得力が充分で、また教育費に我が日本が殆ど費用をかけていない事も示されています(後述)。

最近米国の企業から、ビジネスの話を受け、当たり前の様にコンピューター会議使っている事や電子アカウントが当たり前であるさまを目の当たりにし、我が日本との差を痛感していましたので、余計に胸に響きました。

最低賃金の引上げを提言しているのですが、調べたところ、東京ではかなり前から毎年の様に上がっており、確かに2016年からは毎年3%上がっています(本文で述べられています)。彼の提言通りに5%程度これから上がるとすれば、5年後には1300円近くになる事になりますし、今までの調子で3%でも1200円近くになります。人を雇うには最低賃金より上でなくてはなりませんので、この業界でも1300円~1500円が最低でも必要な時期が直ぐそこまで来ていることになります(勿論人手不足からの必要性は言うまでもありません)。

また、前述通り企業の教育費が米国では年44兆円に対し我が日本では5000億円で教育資料代金にもならない事(GDPは4分の1)も書かれています。新しい技術を習得するには教育は不可欠なのですが、これでは、生産性向上が進んでいないのはある意味当然と言えるでしょう。

先週末の金曜日に20分の短い時間での生産性向上の提言を主としたある企業の参加企業への講習会を頼まれており、この件と生産性向上のために、トイレメンテナンス(カーペットとワックスメンテナンスも)を説明しましたが、少なくとも、質問者からの反応は非常に強い否定でした。

便器内で酸を使うと酸が気化してウォシュレットを傷める恐れがあると言う事、

ウォシュレットを酸で傷める事後があるといけないので一人現場では教育が出来ない

との2点の質問(と言うより指摘でした)でした。

酸は使ったら洗い流す必要がある事、

酸と言っても塩酸が悪いのか、クエン酸でもダメなのかと言った科学的な論拠が必要な事、

ウォシュレットがありながら、プロとして便器内側に強い洗剤、それ以外には弱い洗剤の使い分けをしている企業は既に存在し、成果を上げている事を説明しました。

ウォシュレットは弊社で言えば、中性洗剤のNABC(ナバック)を直接スプレーし、トイレットペーパーで拭ってやれば、簡単に清掃が済むのです。

ご理解いただいたかははなはだ心もとない次第でしたが、機会があれば何度でも強調する事になるでしょう。

業務用のトイレでは(使用頻度が激しいので)酸を使わなければ、手を使って擦らざるを得ないのです。そうなれば、この項でも何度も強調していますが、お客様に対する衛生性と作業者に対する安全性(Bloodborne Pathogens =血液由来病原体)が確保できません。

いくら強調しても強調し過ぎる事はないでしょう。この業界には生産性向上が不可欠です。人を無駄使いすべきではないのです。