ディグリーザー | お掃除とメンテナンスのプロ 矢部要のブログ

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「仕事でお掃除をする方の作業を楽にする事」が使命(ミッション)だと考えています。

 一般の『お掃除』から世界のプロが実践する『メンテナンス』の紹介をしています。

ディグリーザー

 

 アルカリ性で万能洗剤よりも強い洗剤です。Degreaserと書きます。Deはnotの意味で「・・・しない」という事です。Greaseは皆さん良くご存知の通り、グリースで、ネチャネチャした状態の油を指します。こうした油が非常に取りにくいのは良く知られています。グリースをnotの状態にする、即ち取ってしまうと言うのがディグリーザーなのです。

 一般的にアルカリ性万能洗剤はpH値で言えば9~11程度の物を指します。ディグリーザーはそれ以上の強さの物と言えば理解がし易いでしょう。概ねpH11以上で使用するものを指します(勿論例外はあります。弊社の「マイクロマッスル」はpH8.5~9.5で通常薄めて使いますので中性の領域です)。強い洗剤ですので、困った汚れには非常に効果がありますが、素材に対する影響を考えながら使う必要があります。使用に当たって、注意書きをよく読み、使用しましょう。どういった建材や汚れに向くかが記されているはずですので。

 洗浄後はリンスする事が必要です。充分に水洗いし、洗剤分が残らないようにしましょう。心配であれば、pH試験紙で中性に戻っているかを確認するのが一番です。簡単に今行っているリンス洗浄が充分であるかが分かるのですから。場合によっては(大掛りで中和が大変な場合)酸系の中和剤を使用し、手間を省くケースもあるでしょう。簡単に中性に戻してしまうのです。どのみち、使用に当たっては目立たない場所でのテストが必要です。

 さて、一例を挙げましょう。今チラシを作っているのが、「クロリネートディグリーザー」です。「クロリ」即ち「塩素」(次亜塩素酸ナトリウム)を配合したディグリーザーです。強いアルカリと共に、次亜塩素酸ナトリウムの油脂分解力(それと消毒・消臭)を加え、洗浄力を強力にし、合わせて消毒効果や消臭効果も持っています。元々厨房用に作られた洗剤で、厨房の汚れ(非常に頑固です)に最適です。厨房で使用する際にはフォームガンを使用すると便利です。泡状にする事で洗浄箇所との接触時間を稼ぎます。また、厨房にはステンレス製品が多いのですが、次亜塩素酸ナトリウムは金属腐蝕を起こすのが欠点ですが、これはケイ酸ナトリウムを使用しており、金属腐蝕を防ぐので、ステンレスの劣化を起こさないのです。

 また、厨房以外では、酷く汚れたトイレやゴミ置き場などには非常に効果を発揮します。汚れを落とし、悪臭を防ぐのですから。洗浄力も強いので、期待に添える事が多いでしょう。

 

 ディグリーザーはこのほかにも多くの物が存在します。用途に合ったディグリーザーを上手く使う事で作業効率や美観向上、衛生性向上を達成し、アマチュアとの差を広げる事が出来るのです。