Sanitize(サニタイズ)はなんと訳す?
またまた翻訳の話です。ある文章の翻訳の校正を頼まれ、翻訳がうまくいっていないのはSanitizeとDisinfectant(ディスインフェクタント)の違いが良く理解できていない所為であることが分かり、そこを訂正させたのですが、上手く日本語に直すのが難しいのです。
Sanitizeを研究社の大英辞典で調べると「衛生的にする・消毒する」と書かれています。ネットで調べたのですが、今ではITでよく使われているようですね。「良くないものを除いて綺麗にする作業」を意味する言葉ですので、そうして用途そのままで使われているようです(ITの方は全く専門外ですので良く分からないのですが・・・)。
さて、英語も専門外ですので必ずしも正確ではありませんが(我が社の英語堪能な企画室長だったら思わずニヤリとするでしょう)、Sanitizeは古くからある言葉なのでしょう。この言葉は、様々なものを片付け、拭き上げ、その場所を衛生的にする語感が含まれていますし、様々な使われ方をします。メンテナンスだけでなく、フードでも良く使われます。しかし、言葉は時代の流れと共に、様々な変化を遂げる事も事実で、このSanitizeがITで特別な意味でつかわれる事も今知りました。メンテナンスの世界でも当然こうした変化があるのです。(Disinfectantはナイチンゲール以降ではないかと思っています。)
SanitizeもDisinfectantも言ってみれば一種の消毒行為ですが、メンテナンスやフードで使用する場合には厳格な規定があります。
Disinfectantは対象微生物に対して、硬質で無孔性表面上での完全不活性化を意味します(誤解を恐れず簡単に言えば「硬くてツルツルしている所では対象微生物を全部殺す」事)。
一方Sanitizeは対象箇所での総微生物量を99.99%減ずる事を指します。ある意味こちらの方がゆったりしているのです。翻訳ではDisinfectantを「環境消毒」、Sanitizeを「除菌」としましたが、ピッタリの言葉が無いので苦労です。
プロとしては上記の違いをしっかりと理解する必要があります。DisinfectantとSanitizeでは似ているようで、効果には大きな違いがあるからです。