9 洗剤の役割 | お掃除とメンテナンスのプロ 矢部要のブログ

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「仕事でお掃除をする方の作業を楽にする事」が使命(ミッション)だと考えています。

 一般の『お掃除』から世界のプロが実践する『メンテナンス』の紹介をしています。

9 洗剤の役割

 

9 洗剤の役割

 

洗剤の役割は大きく言って2つです。ラウンドリ―(洗濯)などになれば、もう少し増やす(浸透圧など)必要性があるかもしれませんが、メンテナンスでは2つで充分です。一つは前項の

「水と油を仲良くさせる」です。

もう一つの大切な役割は

「表面張力を落とす」です。

この働きで分かり易いのは写真にあるように、手に泥を一杯につける実験です。皆様も是非やってみて下さい。私の講習会でもやってみる事を強調しています。実際に体験するのと、文字で読んだだけでは納得する深みが異なります。そうすると教える際の迫力が全くと言っていいほど違うのです。

手に付いた泥を、水で洗っていただきたいのです。中々落ちないのでビックリされることでしょう(程度は泥の種類にもよるかもしれませんが・・)。洗って、見た目には落ちたようでも、手の感覚として、泥が付いている事も感じられるかもしれません。そしてその手に今度は石鹸を付けて洗ってほしいのです。あっと言う間に綺麗になります。

さて、ここで問題になるのは泥というのは有機物(油と言ってもいいでしょう)ではありませんね。有機物であれば「水と油を仲良くさせる」方法が可能です。しかし、泥は金属と同じ、無機物です。それでは何故無機物の泥が除去出来たのでしょうか。これが二つ目の「表面張力を落とす」役割によるものなのです。

水は表面張力の強い物質です。コップに水を一杯にすると盛り上がりますね。また、平らなガラスやテーブルの上に水を垂らすと、盛り上がります。水は表面張力が強いのです。一方手に付いた泥は(虫メガネでみれば)細かな割れ目が一杯あります。水は表面張力が強いため、割れ目の中に入る事が出来ません。しかし、石鹸水は「表面張力を落とします」ので、非常にサラサラになって、割れ目の中に入っていきます。中に入り込み、湿潤することによって、泥を洗い流す事が可能になったのです。

洗剤の役割を繰り返しましょう

1.水と油を仲良くさせる

2.表面張力を落とす

 

私は前項によって、洗剤を使う事で有機物の油汚れを落とすことが可能であることを述べました。そして、この項で泥の様な無機物の汚れが除去出来る事を証明致しました。即ち、洗剤を上手く使えば、有機物(油)の汚れも泥や煤(すす)の様な無機物の汚れも両方(100%)取れると言う事になるのです。