シャンプーで全身を洗う人?洗剤を使い分けろ! | お掃除とメンテナンスのプロ 矢部要のブログ

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「仕事でお掃除をする方の作業を楽にする事」が使命(ミッション)だと考えています。

 一般の『お掃除』から世界のプロが実践する『メンテナンス』の紹介をしています。

シャンプーで全身を洗う人?

 

食事が終わり、横になりながらテレビを見ていると、「半沢直樹」でブレークした男優が女装して流し台用洗剤のコマーシャルに出ていました。最近彼は色々なコマーシャルにでるなぁと感心していると、お酢を活用した酸性洗剤(従来の殆どの洗剤はアルカリ性)を片手に、少しさげすんだ様な目でこういうのです。「貴女、シャンプーで全身洗っちゃう人?」さすがにキンチョーさんは上手いCM作るな~と感心しました。

キンチョーさんは昔懐かしい「どんとぽっちぃ」や最近では男優とボディビルダーと蚊の組み合わせのCMなど、面白いと言うか、ちょっとドッキとするCMを作る事は知っていました。このCMもこの業界にとっては出色ですね。

私の講習会では(ビルが対象なので)「トイレ・風呂場・錆取り」が酸性洗剤と教えています。そして、この宣伝通り、流し台も酸性洗剤が必要なのです。いつも書いていますが、水垢はカルシウム(アルカリ性です)と二酸化ケイ素の混ざったものです。また、流しで使う洗剤も中性洗剤ですがアルカリに少し傾いています。従って、水垢や石鹸・洗剤の堆積には酸が必要になるのです(言うまでもありませんが、お酢も酸性です=酢酸)。

メンテナンス業界に属している方からでさえ、時々こういう質問が出るのです。「洗剤を絞りたいのです。1本で出来ませんか?」

このケースこそホントに言いたいのは(失礼になるので口には出せませんが)「貴女、シャンプーで全身洗っちゃう人?」です。

一般に洗剤はアルカリに傾いています。そもそもアルカリとは灰のアラビア語です。石鹸の起源は紀元前3000年(随分前ですね)古代ローマのサポーの丘で、拝殿下の土が体や衣服の汚れを落とす事から始まったと言われています。生け贄をささげ、燃やした跡の土です。生け贄を燃やす薪からは灰(アルカリ)が出ます。生け贄からはあぶる事で油がしたたり落ちます。アルカリを油で煮たものが石鹸ですので、最初の石鹸はこうしてできたわけです。

石鹸(アルカリ性)から発展したのが洗剤ですので、基本的に洗剤はアルカリ性なのです。しかし、汚れによってはアルカリが効かず、この場合は酸が必要になります。酸が必要になるのは建物内では大まかに言えば上記の通り(トイレ・浴室・錆落とし+流し台)です。ここはアルカリが効きませんので、一つでやろうと言うのは、基本的には無理があるのです。ここに普通の洗剤を使用すると、

物理的力(ゴシゴシ擦る事)+化学的力(洗剤の力)

のバランスで化学的力が効きませんので、物理的力(ゴシゴシ擦る作業)が大きくならざるを得ないのです。つまり、時間が掛り、作業効率が悪くなるのです。

また、プロ用の洗剤は使用範囲は狭いのですが、効き目(作業効果)が大きいという特徴があります。家庭用の洗剤は効き目はプロ用程ではないが、使用範囲が広いのが特徴です。従って、洗剤を上手く使い分ける事でプロはアマチュアと大きく差をつけるのです。短時間で効果も上げるのです。何度も書いていますが、トイレ清掃を例に取りましょう。便器内側で弊社バイオボウル(クエン酸+バイオ)を使用すると、バイオが出す酵素がクエン酸の力を強め、尿石や水垢に対処します。バイオが便器内に居着く事で、汚れの予防効果をもたらします。また、良いバイオが悪臭の原因菌を追い出すので、消臭効果もあるのです。

便器内側以外(便器外側、洗面台、壁、ドア周り、手摺など)にNABC(ナバック)を使うとします。NABC(ナバック)は院内感染防備レバルの除菌剤が入っていますので衛生性が向上します。NABC(ナバック)はノンリンスですので拭き取りは要りません(便座表部と赤ちゃんシートは水拭きして下さい。微妙な肌ですので)。NABC(ナバック)は酸に傾いた中性(pH6.5)ですので、トイレ内で発生する尿の撥ね(カルシウム=アルカリ性)、石鹸カス、細かな錆(錆は酸性で取ります)を全て取りますので、陶器や金属部分が本来の光沢を取り戻し、ピカピカになります。その上、消臭剤まで配合されていますので、トイレ内の瞬時の悪臭除去にも効果があります。

正しい洗剤を正しく使い分ける事で生産性を向上し、作業効果を上げるのがプロと言えるでしょう。上記を纏めると(トイレで適正な2つの洗剤を使い分けるだけで)

便器内清掃が楽に、早くなる

便器内清掃の回数が減る(場合によってですが)

悪臭が取れる

衛生的になる

ピカピカになる

となるのです。

 

トイレに限らず、様々なメンテナンスで同様の事が言えるのです・

「貴女、シャンプーで全身洗っちゃう人?」と言われたら

「うううん、イイのを使い分ける人!」と答えましょう。それがプロなのです。

 

しかし、こちらも洗剤の選択をアドバイスするプロです。今まで言っている事に反するようですが、「1つの洗剤でやりたい」と言うご希望にお答えしましょう!

次のブログにします。m(_ _ )mm(_ _ )mm(_ _ )m