万能洗剤(All purpose cleaner)と脱脂剤(Degreaser) | お掃除とメンテナンスのプロ 矢部要のブログ

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万能洗剤(All purpose cleaner)と脱脂剤(Degreaser)

マイクロマッスルで考える

 

今、従来からあるのですが、弊社ではあまり力を入れて来なかったバイオ洗剤の広告を考えている所です。某大手ビル会社の方が非常に褒めてくれていたので、気になり始め、使っているお客さまに効き目を聞いたところこれまた評判がいいのです。バイオを使用した汚れ取りを主目的にした洗剤で、特に油汚れに威力を発揮します。pH値が8.5~9.5で、通常は1:64稀釈でしようしますので、中性の範囲になるのです。これで石油系の油汚れを落とします。従来の常識では石油汚れは溶剤かpH値11以上の高アルカリが必要と考えられていたのですが、中性で落とします。その為、汚水を通常の排水口に流す事が出来るのです(高アルカリは通常の排水は法律的にはいけない事になっているのです=処理が必要です)。石油系の油を落とすのですから、通常の(動物系や植物系の)油汚れは更に簡単に落とすのです。

マイクロマッスルと言う洗剤ですが、米国のカタログでは万能洗剤(All purpose cleaner)ではなくDegreaser(ディグリーザー)になっています。脱脂剤と言うのが我が日本での訳らしいのですが、ちょっとピンときませんね。もう少し良い訳があってもいいのにといつも思います。

 Degreaser は読んで字のごとしで、ネチャネチャした油汚れ(grease=グリース)をDe(反対を示す=とりさる)という意味で、「ヒドイ油汚れ取り」と言う意味になります。通常の万能洗剤よりも強い洗剤を意味します。殆どの汚れがアルカリで落ちる事からpH9~11程度の洗剤を万能洗剤と呼び、様々な場所で使われます。それこそ色々な所で役に立つことからAll purpose cleaner(万能洗剤)と呼ぶのです。我が日本は水神話があり、また強い洗剤を使う事を嫌う文化があるので、殆どの会社がDegreaserを使用しません。何とか万能洗剤をしようしとするのですが、万能洗剤では対処できないケースがあるのです。また、万能洗剤は強い洗剤ですので(中性洗剤に比べてと言う意味です)必ず洗剤分を取り去る事が必要になります(リンスと言います)。従って、毎日、日常的に使用するという事が(手間が掛る事から)嫌われるのです。しかし、洗剤を使用しなければプロではないといつも言っていますが、各汚れにはそれぞれ適正な洗剤を使用しなければなりません。

この洗剤は効き目はDegreaser並、pH は万能洗剤よりも弱い中性並ですので、その点をどうやって強調するか頭をひねっているのです。