ワックスの基礎被膜作成 | お掃除とメンテナンスのプロ 矢部要のブログ

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ワックスの基礎被膜作成

 

ワックス管理をする場合、最初に行うのが基礎被膜の作成です。ワックスは重ね塗り出来る構造になっていますし、1層では足りません。何層か重ね塗る事になります。一般的には通常管理の場合は4層、バフ管理をする場合には6層が必要と言われています。

ワックスの基礎被膜作成の際には、真っ先に現在の床を綺麗にする必要があります。剥離作業(従来のワックスを取り去る作業)が必要です。剥離剤(強アルカリ)を使用し、剥離するのですが、剥離後、十分にリンスし、アルカリ分を絶対に残さないようにすることが非常に重要です。前に述べましたように、ワックスはアルカリに弱く出来ていますので、アルカリ残留は基礎被膜の完全形成を妨げます。中和剤(酸性)を使用すれば、早く中性に戻すことが出来ますし、そうでない場合は十分に水を使用し、リンスします。この際にポリッシャーを使用する人もいるようです。中性に戻ったかどうかを確かめる一番確実な方法は剥離作業(リンスを含む)終了後、床をpH 試験紙で測る事です。水を垂らし、試験紙を使用すれば、簡単に確認出来ます。チョットした手間を面倒くさがると、後が大変なことになるのです。

また、新しい床の場合も剥離剤を使用して洗浄した方が良い場合があります。タイルには離型剤が残っている場合があり、それを完全に除去しておかないと酷い事になる事があるのです。この場合の剥離剤はその剥離剤の規定範囲で最も薄い希釈で大丈夫です。

床を中性に戻したら、ワックスを塗布します。ワックスは専用のモップがありますので、それを使用すると良いでしょう。大体ですが、日本はワックスを薄く塗る傾向があります。日本のワックスは18リットル缶が多いのですが、それで1200~1500㎡塗るケースも多いようです。弊社の推薦は(弊社のワックスは約19リットルですが)900~1450㎡です。

ワックスは1日に擦り重ねられるのは最大4層までです。それ以上はいけません。良い結果を望むなら、3層までとする方が無難です。それ以上は翌日以降、重ね塗る事になります。表面を軽く洗浄し、十分にリンスし(この場合も絶対に中性にしておく必要があります)、残りを重ね塗っていきます。

ワックスには通常タイプとワックス・シーラー一体型があります。床に完全密着させるためにはシーラーを最初に2層塗ってから、通常ワックスを2層(合わせて4層になります)塗るのが本来の基本なのですが、ワックス・シーラー一体型であれば、こうして分ける必要がないので便利でしょう。

米国のワックスを使用した場合に注意が必要なのは、最初の一月にブラック・ヒールマーク(靴底のゴムの付着)が付きやすい事です。米国のワックスは日本のワックスよりも柔らかめなのと、耐スリップ性を高めている為に、ブラック・ヒールマークが付きやすいのです。前回述べましたように、ワックスの完全硬化には1月掛かりますので、この間は特につきやすいのです。最初にそれを理解しておかないと、ビックリしたり、焦りが出たりするので要注意です。その後段々落ち着きます。

                  弊社の通常ワックス「ホワイトサン」

上記は5ガロン(約19ℓ)計算で述べていますが、これは1ガロン(約3.8ℓボトルです。光沢増白剤配合で綺麗さを長持ちさせる構造です。ワックス・シーラー一体型です。