洗剤の役割
1.水と油を仲良くさせる。
2.表面張力を落とす。
洗剤の役割は2つです。ランドリーなどをする場合にはもう一つ「浸透圧」なども必要なようですが、建物のメンテナンスであれば覚えるのはこの2つで充分です。
1の「水と油を仲良くさせる」は前回の「洗剤とは」の所で既に述べました。ここでは「表面張力を落とす」について述べていきましょう。
この例で一番分かり易いのは写真の手に付いた泥汚れです。手に一杯泥を付け、それを水洗いすると中々落ちなくてビックリします(まあ、泥の種類にもよりますが・・)。そこで石鹸を付けて洗うとあっと言う間に綺麗になってしまいます。ここで問題なのは泥は油(有機物)ではありません。泥は煤(すす)などと同じで無機物です。無機物の汚れである泥がどうして落ちるのでしょう。
泥は細かな粒子がくっつき合ったもので、虫眼鏡で見れば細かな割れ目がいっぱいあります。しかし、水は表面張力の強い物質です。コップに水を一杯にすると盛り上がるようになりますね。従って細かな割れ目には入って行けないのです。しかし、洗剤(界面活性剤)のもう一つの役割は表面張力を落とす事ですので、非常にサラサラになる事で割れ目の中に入り込みます。侵入し、湿潤させる事で汚れを落とすのです。
前回の「水と油を仲良くさせる」ことで有機物の汚れ(油汚れ)を洗剤は除去すると述べました。今回の「表面張力を落とす」で無機物の汚れ(土砂や煤など)も洗剤は取り去る事を証明しました。即ち洗剤を上手く使えば有機物の油汚れも無機物の泥汚れも両方取り去る事が出来るのです。