pHの上げ下げ | お掃除とメンテナンスのプロ 矢部要のブログ

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「仕事でお掃除をする方の作業を楽にする事」が使命(ミッション)だと考えています。

 一般の『お掃除』から世界のプロが実践する『メンテナンス』の紹介をしています。

先週はpHを薄めた場合の考え方を書きました。
今週はpHを調整する際の実務について述べましょう。

汚れを落とすために洗剤を使用しますが、pHを上げ下げする方法は2つ有ります。
1.洗剤を水でするめる際に、水を多くしたり少なくしたりする方法(濃くしたり、薄くしたりする方法です)。
2.洗剤自体を変える方法。

例を挙げましょう。仮にpH10程度が除去に必要な汚れが有るとします。洗剤でpH10の洗剤があり、本来の希釈倍率が1:50で有る物を原液で使う方法とpH11.5の洗剤で1:50で希釈する洗剤を使用する方法と2つあるとしたら、どちらを使うのが良いのでしょうか?

この例でいえば、後者の方が良いのです。

洗剤には(最近のハイブリッド洗剤は別ですーーー説明がややこしくなるのでここではこの話題には触れません)希釈のベストポイントである臨海ミセル濃度と言うのが実際にはあり、上記で言えば最初の洗剤は本来pH8.5程度で使用するのが一番力を発揮しますし、2番目の洗剤がpH10程度で使用するタイプの洗剤になっています。

プロ用の洗剤は推薦された希釈で使用する事で特徴を出す仕組みになっているものが多いのです。