母が着たお色直しのドレス | 江戸手描き友禅「染工房 まいむらさき」のそめいろ日記

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栃木県小山市でそめもの教室の講師をやっています。
染め物のコトや、じんくん(秋田犬)のコト、歴史、芸術、美術、日々の色々を綴っていきます。

染師・まいまい です



テーマ「捨てられないもの」シリーズ
に分類しましたが、これは捨てるわけないものです



母が自分の結婚式のとき着た
オーダーメイドのお色直しのドレス




どうやらこの布地、布の幅や手触りなどから察するに、
和服の帯として売られていたもののようでした

有名デパートで仕立てていたこともわかりました


私:「この布、結構いい(上等)やつだね。」

母:「そうだと思うよ。こうゆうときは、いい物を揃えてきたから・・・。」


和服の帯としてリメイクするため、写真で記録をとった後、
母、自ら糸を解きにかかりました・・・・

思い出を語りながら・・・・・



母:「女の子が生まれたら、その子は音楽をやっているパパの影響で
ピアノや歌をやるようになるかもしれない・・・。
やがて、ステージで着られるようオーソドックスなデザインで仕立ててもらおう・・・。
って考えたんだよ・・・。」

母:「だけど、ふたり(私・姉)は音楽の方へは行かなかったね。」

私:「結局、しょっかた(職人・江戸の言葉)になっちゃった。
私の中にある日光東照宮の彫刻師のDNAがそうさせたかな?
音大だったら、これ着る機会いっぱいあっただろうね。
ドレスとは無縁の世界だよなー。
ムサビ(美大・工業工芸デザイン)では、いつもツナギ着てたし。
完全にガテン系だもんなー。」


(余談ですが、美大の食堂っていろんな人種のるつぼで
面白いですよ。オシャレでタレントさんみたい子のとなりに
工事現場から来たまんまのごつくて粉っぽいガテン系のとなりに
髪がミドリ色のシュッとしたビジュアル系のとなりにラスタマン・・・ってのは見慣れた光景

なので私は「見た目」では多少のことでは驚かないし、
慣らされたので「派手な人」にもさほど抵抗はありません




しっかりした縫製でなかなか解けない、と母・・・・・

仕立て職人さん、ありがとうございました

お見事です

ステキなドレスを、思い出をありがとうございました


これからは、帯となって新たに思い出を刻みます




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