★[ここから、この男の子の事を、パーマって呼びますね]

パーマは、リュウ君をジッと見ていました。

リュウ君は、なるべくパーマを見ないようにしていましたが、あまりにも視線を感じるので、ちょっとパーマを見てしまいました。

パーマは、チャンス!とばかりに、リュウ君にウインクをしました。

リュウ君は、何故か咄嗟に不思議な懐かしい感覚を覚えたのでした。

放課後になり、リュウ君が帰る支度をしていると、パーマが話しかけてきました。

おい、お前
今日は俺と一緒に帰るぞ

と、強引にリュウ君を学校から連れ出しました。

あの〜パーマさんは、何故、転校してきたの?

と、恐る恐る訪ねてみました。

決まっとるやないか、お前のお母さんに頼まれたんや〜

と、パーマは答えました。

え?お母さん?
久恵がそんな事するかな?
と考えてみました。

久恵は外見ばかり気に
する女性でした。
夫のまさしからは、余り相手にされておらず、
いつも、台所で泣いていました。
そんなストレスから、お酒を飲んだりして、

たまに、リュウ君にもヒステリックに当たり散らすことも増えてきました。

お母さん?
パーマさんは、僕のお母さんを知っているの?

そうや〜、よーく知ってるわ。
俺のお姉さんで凄い綺麗な人やで。