リュウ君が、ソフトクリームを食べていると、時計台の時計がボーン、ボーンと鳴りました。

あっ!トトとの約束の時間だ!
どうしよう!

隣にいたはずの綺麗な男の人は、いつの間にか居なくなっていました。

急にザワザワと周りが動き出し、最初にいた場所、お城の近くに立っていました。

もう、辺りはすっかり暗くなっていて、リュウ君くらいの歳の子は、どこにもいません。

トト!トト!何処にいるの?

ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい

泣きながらトトに謝りました。
どうしよう!僕、お母さんに何も言ってきていないのに…

このまま天界に帰れずお母さんにも、会えないの?

川の近くの土手にうずくまって、リュウ君はシクシクと泣きながら、どうしたらいいか考えていました。

それから、どれくらいたったのでしょうか

何処からか優しそうな夫婦が近づいてきました。

どうしたの?君…と

とても優しく笑いかけてきました。