某病院の初回診察での出来事…
私「フラホルしてます」
医「フラホルやめなさい
診断は降りるまでに2年かかります
そんな簡単に診断出さない
診断降りたらホルモン治療やりましょう
今のままフラホルしてるなら面倒見ない」

ざっくり言うとこんな感じ

どこの病院かは私の個人情報の問題から言わないですけど、実際こういうことを言う医師がいました。このような医師が世の中にどれほどいるのか、そもそも他にいるかは知らないですけど、この医師の対応は間違っているとハッキリ言いたいと思います。

前の記事でもフラホルの話しましたが、フラホルに対して私自身が両手をあげて賛成することもないし、フラホル否定派の医師の言い分が全く理解できないことはありません。冒頭の医師もフラホルをして心身の健康を損なったMtFの人たちを見て医師になり、現在は受診する患者に対して適正なホルモン治療を提供し、それに合わない人に対しては適正な治療を行うように訴えているという人で、そういった理念を持って医師をやっていることについては尊敬に値するとすら思います。

ただ、その医師の持つ理念には賛同しますが、そのために実際に患者に対して行ってることについて賛同することはできません。
どのような点がおかしいのか順を追って書きたいと思います。

まず、診断まで2年間かかり、その間一切の治療を受けられない点。 GIDの診断においてある程度の時間をかけて診断を下すことは当然あるべきことだと思うし、逆に一日で診断を下すクリニックは診断書を即座に必要とする若い子の救済にはなっていると思いますが、適正な診察が行えているかというと疑問です。とはいえ2年もの時間を診断にかける病院は私の知る限り他にはなく、たいてい半年から一年程度で診断が下ると聞きます。若いMtFの子が勇気を持ってトランスに動き出したのに2年間何もできずに男性化していくのは本人も納得できないだろうし、私ならフラホルに手を出すか他の病院を受診することも検討すると思います。2年という時間を何も治療できないで過ごすというコストはそれによって得られる診断の正確性の向上に見合っていないと言わざるを得ないと思います。診断が下せるまでホルモン剤を処方できないのは当然のことだと思いますが、患者のフラホルにまでストップをかけるのは本人のためにならないと思います。診断に2年間かけるというからにはその間のフラホルは認めてもらわないと、ただ男性化を待つのみになってしまい将来のQOLは保証できなくなります。要するに診断降りるまでにオフィシャルでホルモン剤を提供することが無理なのは分かるから、フラホルを禁止するなということ。

この医師は徐々にフラホルやめろって言ってきましたが、男性機能にダメージを与えた状態でホルモン剤を入れなくなれば更年期のような状態になったりして身体に害が現れると思います。この医師はそのことを知らないのかそれとも知っているが健康被害があることを承知でフラホルをやめるべきだと言っているのか…。
いずれにせよ、フラホルをやめることにメリットはないし始めた以上は継続していかなければしょうがないと思います。

頭ごなしにフラホルをやめろというのは医師、患者の双方に得がありません。そんなことを言われてフラホルをやめる患者なんかいませんし、フラホルを否定された患者は医師を信頼することができなくなります。信頼関係のない患者と医師の間で円滑な治療が行われることは当然期待できません。患者は医師のことを信頼できず、頼れる専門家が身の回りにいない状況になるし、医師にとっては信頼してもらえないがために本来行おうとした治療が行えなくなります。信頼のない人同士でぶつかり合ってもいいことがないことくらい大人なら分かるじゃないかと…。ぶつかり合うのではなく互いに譲歩しつつ共同作業としてトランスを進めるような形にしていかないと理想ばかりを語る医療に実社会に生きてる当事者はついていくことはできません。ホントはホルモン剤をちゃんとしたところから提供することが望ましいですが、仕組み上できないとなれば、最低限フラホルを行う上で血液検査を行い適正量のアドバイスをするくらいのことはしてあげてほしいなと思います。

そして最後に「フラホルやめないなら面倒見ない」っていう発言ですけど、これは医師としてどうなんですかね???医療の仕組みがどうなってるかわからないからなんとも言い難いんですけど、私には医師が私に言うことを聞かせるための脅しとして言っているように聞こえたんですけど。脅しめいたことを言ったことの可否はともかく、目の前の患者が言うことを聞かないと治療放棄するのって許されるんですかねー。「病院内で喫煙していたので強制的に退院させる」というケースは聞いたことあるしできないわけではないとは思いますが、すべてのケースにおいて治療放棄が認められるということはないと思います。この辺は医療関係の法令等との兼ね合いもあるからなんとも言えないですけど、ぶつかるたびに治療放棄してたらその医師の手では誰も救えなくなります。人を救うために目標を持って医師になったからには折衝しながら治療に向かっていかなければならないのではないかと思います。

今回書いたことを総括すると、フラホルに否定的な医師の気持ちも分かるけど、実際に若年MtFが2年間何も治療できないのはあまりにもデメリットが大きく現実的ではないということです。フラホルに強固に反対していけば医師として助けられたはずの人間を不幸にしてしまうこともあるということを理解し、頭ごなしにフラホルを否定することなく親身に適正なホルモンの量を指導して健康状態を保ちつつ診断を迎えられるのが望ましい形ではないかと…。

医師としてフラホルを肯定できない気持ちがあるのは分かるが、それを押し通して目の前の患者を幸せにできるのかということはよく考えてほしいものです。目の前に患者がいるときにはフラホルを否定するよりその患者のために血液検査を行い適正なホルモン量を計算し指導することが大切だと思います。私ならそこまでしてもらえればその医師のことは信頼するし、指導された通りに服用するんじゃないかなーって…。

冒頭の医師に対してはものの言い方とか言っている内容とかおかしいと感じる部分も少なからずありましたが、その一方でその医師の理念については称賛すべきところもあると思います。私としてはその医師には多くのMtFの子たちを救ってほしいし、そのためにその医師には変わってもらいたいものです。