シーズン16 の登場人物
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⚪️ パンダ(私)
仕事で付き合いのある大沢先輩との飲み会で、明日香さんに出会い今回の話を聞くことになる。
⚪️ 恭介 当時31歳
明日香さんの夫。とても優しい人だと思っていたら、元婚約者に酷い仕打ちを行なっており、浮気相手は複数名いた。
しかしそれから色々あり本当の父親だと思っていた育ての親は、実は自分の父親ではなく、自分は母親が浮気したアキオの子供だと知る。
⚪️ 恭介の母親(美代子)
昔から恭介ばかりを可愛がり、姉の朝子のことはいつも邪険にしていた。姉だからという理由かと思っていたが、その真相は「村田アキオ」という男の存在によって明らかに。
⚪️ 恭介の父親→朝子さんの父親
生まれた時からずっと、何の疑いもなく子供達(恭介と朝子さん)を育ててきたが、恭介が自分の子供じゃないことを知り、美代子との離婚を決意する。
⚪️ アキオの奥さん
夫が浮気者であることはわかっていたが、美代子とは過去に
アルバイト仲間であった。最近その美代子とアキオの間に生まれたのが恭介だとわかるが、妹である奈々の酷い裏切りを知り、現在は妹の元夫さんと一緒に、今後の作戦を考えている。
朝子さんの家は
30年前に父親が買った持ち家で
家族4人で住んでいたが
現在離婚を考えている母親が
1人で暮らしている状態で
今は恭介は副業の会社の社宅に住み
朝子さんが1人で暮らしていたマンションに
父親が居候状態だった。
朝子さんの父
「あの彼はいい青年だよな。
だから、これからの朝子の幸せを
親のせいで壊したくないんだ。」
朝子さん
「だからって、お父さんが
出て行くことないでしょ。
だってあの家を売ったら
一人暮らしって言ったって
お父さんどこに住むの。」
朝子さんの父
「それがな、うちの会社の社長が
会社の近くで
いい場所貸してくれるらしくてな。」
朝子さん
「へっ、そうなの?」
朝子さんの父
「父さんは
まだまだバリバリ働けるし
あの家がちゃんと売れたら
老後の資金だって多少は
手元に残る。
母さんからの慰謝料なんかはもう
ないものだとは思ってるが
それでもお前にお金のことで
迷惑かけるようなことには
ならないから安心しろ。」
朝子さん
「それは、、、」
お金のことを
心配するなって言ってもらえるのは
この上なく助かるけれど
朝子さんは本当に父親との生活に、
窮屈さを感じていなかった。
すると
朝子さんの父
「朝子。実は父さんもな、
1度1人で自分だけの空間で
過ごしてみたいなって、
思ってるんだ。」
それが本音なのか、朝子さんのために
ついている嘘なのかはわからない。
けれどそこまで言われると朝子さんも
父親が出て行くことについて
納得しないわけにいかない。
朝子さん
「私は、、母さんのことがもう少し
色々落ち着いてからでいいって
思ってたんだけどな、、、」
朝子さんの父
「いやぁ、あれを追い出して
離婚して慰謝料もらってって、、
まだまだ時間ががかかるよ。
1つずつ、やっていかないと。
ただ、それが大変なのは
母さんを選んだ父さんの責任だから
朝子が気にすることない。
電話がかかってきても
もう絶対に出なくていいからな。」
それから2週間もしないうちに
父親は本当に出ていった。
しかしちゃんと連絡は来るし
たまに朝子さんのマンションにも
遊びに来ている。
父親が引っ越した先は
もちろん母親には教えておらず
恭介にも伝えていない。
それから今、
母親はやっと、
あの家を出て行った。
というよりほぼ、強制退去だ。
スナックには今も勤めていて
シニア向けのマンションを借りる時は
その手続きの時だけは
結局父親が手伝ったそうで
まだ離婚は成立していない。
その間、朝子さんはまだ
母親から電話がかかってくるが
その電話には1度も出ていない。
それは、実母との縁を切ると
優くんと約束したからだし
私は朝子さんの父親が
家を出て行ったことはきっと
あの母親から、
朝子さんを守るためだと思っている。
実親との縁を切るなんて、
もちろんそれは朝子さんにとって
かなり苦しい作業だ。
だってずっと
ダメな母親だとわかっていながら
離れられなかったのだから。
きっと今も世の中には
毒親だと分かりながらも
縁が切れず、苦しんでいる子供達が
沢山いるのだろう。
けれど
離れていい母娘もいる。
朝子さんは今やっとその呪縛から
解き放たれつつあるのだ。
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