シーズン16  の登場人物

 

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 ダウンダウン

シーズン16−1

 

⚪️ パンダ(私)

仕事で付き合いのある大沢先輩との飲み会で、明日香さんに出会い今回の話を聞くことになる。

 

⚪️ 恭介 当時31歳

 明日香さんの夫。とても優しい人だと思っていたら、元婚約者に酷い仕打ちを行なっており、浮気相手は複数名いた。

しかしそれから色々あり本当の父親だと思っていた育ての親は、実は自分の父親ではなく、自分は母親が浮気したアキオの子供だと知る。

 

⚪️ 恭介の母親(美代子)

 昔から恭介ばかりを可愛がり、姉の朝子のことはいつも邪険にしていた。姉だからという理由かと思っていたが、その真相は「村田アキオ」という男の存在によって明らかに。

 

⚪️ 恭介の父親→朝子さんの父親

 生まれた時からずっと、何の疑いもなく子供達(恭介と朝子さん)を育ててきたが、恭介が自分の子供じゃないことを知り、美代子との離婚を決意する。

 

⚪️ アキオの奥さん

 夫が浮気者であることはわかっていたが、美代子とは過去に

アルバイト仲間であった。最近その美代子とアキオの間に生まれたのが恭介だとわかるが、妹である奈々の酷い裏切りを知り、現在は妹の元夫さんと一緒に、今後の作戦を考えている。

 

 

 

 

星子の涙の訴えも無視するかのように

彼氏に自分の気持ちだけをぶつける奈々。

 

 

 
彼氏(東)
「これ以上がっかりさせないで。
 俺たち、店移動するから。」
 
 
 
奈々
「待ってよ!」
 
 
 
立ち上がる彼氏を引き止めようと
奈々も立ち上がる。
 
 
 
彼氏(東)
「俺のこと好きなら
 お願いだから、こんな外で
 恥かかせないでくれるかな。
 
 あと、一緒に話していた人たちに
 どれだけ迷惑かけてるか
 考えた方がいいよ。」
 
 
 
そう言うと彼が、
奈々の元夫さんの方に近づく。
 
 
 
彼氏(東)
「あの、、突然こんなことになって
 申し訳ございませんでした、、、
 
 俺たち場所を移動しますので
 大変お騒がせしました。」
 
 
 
奈々の元夫さん
「あぁ、、いや、、、」
 
 
 
慌てて元夫さんも軽く会釈をすると
後ろで星子も、涙を拭いながら
頭を下げていた。
 
 
 
 
奈々
「絶対に電話するからっ」
 
 
 
まだ、そんなことを言っている奈々。
 
 
奈々は元夫さんの席ではなく
一旦隣の席に座り、ぼーっとする。
 
 
 
弁護士さん
「あの・・・わたくし、
 帰りましょうか、、、」
 
 
 
弁護士さんが我に返り
元夫さんに小声でそう伝える。
 
 
 
奈々の元夫さん
「そう、、ですね、、
 これ以上お手間をかけるのも
 申し訳ありませんから・・・」
 
 
 
というのと、
さっきサインした書類を
撤回しようとされないためにも
その書類ごと
持って帰って欲しかった。
 
 
 
弁護士さんは
奈々の方にも頭を下げたが
全く顔を上げる気配がなかったので
 
元夫さんに会釈をして
その場から立ち去った。
 
 
 
 
それから5分くらいして
放心状態の奈々が
おもむろに携帯を取り出す。
 
 
 
奈々の元夫さん
「・・・彼氏に
 電話しようとしてるのか?」
 
 
 
たまらず元夫さんが話しかける。
 
 
 
 
奈々
「別にいいでしょ。あなたとはもう
 離婚もしてるし
 私は子供も手放してるんだから。」
 
 
 
 
奈々の元夫さん
「はぁ、、、、
 
 さっきの話、、一体お前は
 何を聞いてたんだよ、、
 
 もう相手はお前に
 会うつもりなんかないぞ。
 あの彼女と付き合ってるんだから。」
 
 
 
奈々
「そんなの、
 魔が刺しただけでしょ!
 男なんてそういうもんなんだから!」
 
 
 
奈々の元夫さん
「・・・・・・お前はそうやって、、
 
 ずっと人のせいにして
 自分勝手に、生きてくんだな。」
 
 
 
奈々
「もう関係ないあなたが
 私に何を言っても 
 無駄だから!」
 
 
 
 
この言葉で元夫さんは
 
 
 
なんだか急に、
つきものが落ちたみたいに
 
 
何かがフッと、降りてきた。
 
 
 
 
 
あぁ、確かに関係ない。
 
 
 
 
子供の母親だと思ってか
何のためなのか
 
 
結局こっちが囚われ、
支配されていた気持ち。
 
 
 
でも、
 
 
他人なのだ。
 
 
 
 
 
奈々が彼氏と別れたら
蓮をどうやっても引き取ろうと
躍起になるかもしれないとか
そんな恐怖や不安もあったが
 
さっきのやり取りを見て確信した
 
奈々がそんなこと思うはずがない。
 
 
 
 
 
あぁ、なんだ。
 
 
 
 
なんだ、
 
 
 
その程度のこと。
 
 
 
 
そんな程度の人間に
自分は何を囚われていたのか。
 
 
 
 
 
 
奈々の元夫さん
「そうだな。
 
 じゃあもう、俺も行くよ。」
 
 
 
 
 
立ち上がった元夫さんは
自分の身体が明らかに、
軽くなっていたのを感じた。
 
 
 
 
 
 
 
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